大きな茶色の瞳、赤くふくよかな唇、そして魅力的な声―――地球から40光年あまり離れた惑星オザゲンの調査におもむいたハル・ヤロウはそこで地球人そっくりの美しい娘ジャネットと恋におちた。だが、前回の調査ではこの惑星には昆虫生物ウォグしかいないはずだった。彼女はすでに絶滅したはずのヒューマノイド型生物の生き残りなのか、それとも・・・・・・?厳格で禁欲的な社会に育った青年と異星人との禁断の恋を描く傑作
うーん、面白かった。
性的なことを描いて、アメリカSFに衝撃を与えた作品だそうです。途中のジャネットとハルの関係に、あー甘いなあとか思いながら読んでいたら、衝撃のラストに驚愕!震えました。ある意味、残酷なのだけれど、愛情の深さというものがその悲劇性の中でより表現されていてよかったです。
地球上を支配する宗教の様子も面白かったです。こういう厳格化した世界というのは恐怖感があるのだけれど、読んでいて面白いです。また、人びとの生活の様子もいいです。人口過剰の世界で巨大建築物の中で生活する人びと。昼間働く人と夜中働く人それぞれが同じ部屋を違う時間帯で使うっていうのが、なんだかすごーく嫌な感じ。この世界は嫌だなあ。
異星生物で面白かったのは、お酒を造る生物だとか、死体を食らう虫だとか、すこしグロテスクだけれどくすりと笑ってしまうユーモアがあって、楽しかった。そして、なんといってもジャネットです。虫とまぐわうという気持ち悪さと、愛や恋といったロマンチシズムが交じり合って、実に奇妙な感じが心を覆います。愛は種族を超えたんだねえ。ただ、恋人が卵を産むのは勘弁してほしか~。
ちょっと衝撃度の高い作品でした。
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COMMENT
生理的に…
ファーマーは,リバーワールドシリーズをBOOKOFFで以前に買いましたが,まだ読めてません。面白いらしいんですが。
性と宗教
リバーワールドは解説でも触れられていますが、ヒューゴー賞受賞作らしいですね。面白そうです。