186X年2人のアメリカ人と1人のフランス人を乗せた月ロケットがバルチモアから発射され、97時間の歴史的な大旅行を開始した。しかし、一路、月に向けて地球の引力圏を脱出したロケットの行く手には、流星の衝突や酸素の欠乏、あるいは軌道の修正等、予想外の事態が待ち受けていた。ロケットは無事、月に着陸するだろうか?19世紀の科学の粋と数世紀にわたる月観測の成果をふまえた本書は、その驚くべき予見と巧みなプロットによって、宇宙時代の今日、ますます声価を高めるSF史上不朽の古典である。
なかなか楽しかった。
ただ、僕は数字とかサイエンスが苦手なのでそういう場面は眼がまわる思いだった。19世紀の科学にすらついていけないなんてSF読者失格?
・・・・・・とにかく、面白いと思ったのはアメリカ人二人とフランス人一人っていう人数の構成です。欧州っていうのは国が近いし、陸地でつながっているから、外国人というものに対する意識っていうのが島国の日本人から見ると面白いですね。この組み合わせがフランス人とイギリス人だったら絶対喧嘩ばかりしていたに違いない。
フランス人が「困ったら食事だ!」っていうお国性のギャグとかそういう会話の妙が面白かったです。ただ、「月世界へ行く」っていう題名だから月に着陸するのかと思ったら、ぐるーっと周回したらそのまま地球に落ちちゃったので非常に残念でした。昔、大城のぼる(だったかな?)の『火星探検』というのを読んで、そこに不思議な異星人なんかが登場するんですね。そういうイメージで本書を読もうと思ったので、そこが期待過剰だったのかもしれない。
冒険ものとしては少しインパクトが足りなかったかなあという感じ。『地底探検』や『十五少年漂流記』を昔読んだときには「すげーなー」と思ったものですが。ほかにもヴェルヌの興味ある作品はいっぱいあるので読んでみたいと思います。
PR
COMMENT