と、いうことだそうですが、まあ体系的に捉えるには少し難しい本でした。最初の方の聖俗の分離というところが感覚的によくわからなかったのが尾を引いて、最後もうーん?という感じでした。
文学の流れの中に~と書かれている割には、主流文学との関わりもそんなに書かれていなかったし、SFがどういう価値付けをされていたのかが知りたい僕には少し不満でした。あと、日本SFにはまったく触れられていませんし。
この本は素人向けというよりも、オールディスらのSF内部でのSFの体系づけに対して現われた本なのでしょうか?そういう意味では、それらの本を読んでから、読み返すことが一番正しいのかもしれません。読者の読みたいものと、作者が書きたいものが食い違ったわけです。というわけで、一番悪いのは素人ながらにこういう本に手を出そうと思った自分ですね。
それでも読みたいと思った本はたくさんあったから、いいガイドではあったと思います。並べてみると、チャペック「山椒魚戦争」、ステープルドン「オッド・ジョン」、オーウェル「1984年」、バラード「時の声」、オールディス「グレイベアド」、ゼラズニイ「ドリーム・マスター」、ディレイニー「アインシュタイン交点」、レム「エデン」などなど。
ちょっと素人には難しい本でした。
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