○
A・C・クラーク『月の犬』
愛犬ライカを地球に置いて、月へと旅立った「わたし」だったが・・・・・・。
犬の出てくる話が大好きなので。この話も当然好き。
◎
ゼナ・ヘンダースン『アララテの山』
クーガー峡谷に部落をつくって住む同胞(ピープル)たちは、村の外から来る教師を迎えた。子供たちのリーダーである主人公は彼女らの秘密が、教師にばれないように気を揉むのだったが・・・・・・。
心温まるお話です。『二十四の瞳』超能力版?徐々に露わになる秘密の小出し具合がいい。
△
ルイス・パジェット『黒い天使』
昨日まで愛し愛されていたわが妻が異常な能力を身につけたミュータントになって永遠に去っていこうとは・・・・・・。
人間より高次元の存在となったミュータントは人間を犬と同様に見なしてしまうかもしれない・・・・・・。まあ、進化という言葉がもたらす誤解というものもあると思うのですが。突然変異は必ずしもいい方向に進むわけではないし、むしろ、生存に適した形でサバイバルしてきたといったほうがいいのかもしれない。
○
ポール・アンダースン『大魔王作戦』
回教徒相手の戦争で、アメリカ軍大尉のマチュチェックと、美貌の女魔法使いヴァージニアは、相手の魔王を封じる作戦を決行する。
アメリカ万歳小説。とっても、面白いですが、イスラム教に対する考え方が不快すぎて、安心して読めません。イラクでのアメリカ兵もこんな考え方で、出兵していったのでは?とかんぐりたくなります。しかし、FFとかファンタジイゲームが好きな人にはとても面白いでしょう。
◎
カート・ボネガット・ジェニア『バーンハウス効果』
世界の軍備システムは、たった一人の男のために崩壊した。彼の名前はバーンハウス。世に言うバーンハウス効果の発案者であり、実行者であった・・・・・・。
ヴォネガットの戦争嫌いがよくでた素晴らしい作品。彼はよく自分は大学生みたいな問題を真剣に考えているから、若い人によく読まれる、といっていたが、この生真面目さがやっぱり彼の魅力だと思う。
△
ヘンリイ・カットナー『アブサロム』
ジョエル・ロックは自身も高知能児だった経験を生かして、さらに上をいく高知能児の息子を教育していた。彼は息子の教育によくないという理由でエントロピーの勉強を禁止するのだが・・・・・・。
うーん。面白いけどね。なんだか、もやもやするよなあ。
☆
ウィリアム・H・シラス『アトムの子ら』
精神科医ピーター・ウエルズは、ティモシー・ポールという少年がなにかを隠していることを診察で知る。その通り、彼は超天才児だったのだ・・・・・・。
いい話だア。始終微笑みながら、読みました。ラストの何行かは、「うん、うん」とうなずきながら読みました。涙まで、浮かんできました。年齢の離れた友情・・・・・・。憧れるなあ。
△
ウィルスン・タッカー『仕事は終わった』
探偵のエヴァンズのもとに、アーサー・ジャクスンというマンハッタン計画の重要人物から、消えた妻を捜索してほしい、と依頼が入る。しかし、エヴァンズの正体は・・・・・・。
非常に眠たくて、頭によく入ってこなかった。が、やっぱりつまんないと思う。
○
ローレンス・シアーズ『災厄』
疫病神と呼ばれている主人公の行く先々では、偶然か、災厄ばかりが起きる。取材先のアルジェリアで、彼は、昔、彼が火事から救った女の子と出会い、熱烈な恋に落ちたのだが・・・・・・。
こういう能力は、まったくもって、ごめんこうむりたいなあ。行く先々で、ひどい事件が起こる。ダーティ・ペアみたい。
◎
ロバート・シェクリイ『超能力会社』
超能力者の能力に応じて、仕事に派遣する会社を経営しているウェイヴァリイ。彼のもとに、現在、他人がどうしているかを知覚する能力のある男がやってきた。ところが、彼は科学の名のもとに他人の性行為を覗くのが趣味のデバガメだった。
超能力者の派遣会社。これまでの作品と違って、能力者を社会に適応させようとする正反対の作品ですが、面白いですね。短篇としてのまとまりに欠ける気はしますが、それでもやはり面白い。
△
ジュディス・メリル『ママだけが知っている』
母親となったマーガレットの手紙を中心に、生れた高知能の赤ん坊を描く作品。
ヒロシマやナガサキの文字を見る度に癇にさわってしまうのは、やはり、僕が日本人だからでしょうか。面白いけど、なんだかいやな感じがする。
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