ある日突然どういうわけか地球の重力が強くなり、そこへまた緑死病なる奇病まで現れ出でて世界は無秩序、大混乱! アメリカ合衆国もいまや群雄割拠の観を呈し、ミシガン国王やオクラホマ公爵が勝手邦題にいばり返っている始末。そしてジャングルと化したマンハッタンのエンパイア・ステート・ビルの廃墟では、史上最後にして最も長身の合衆国大統領が手記を書きつづっている――愚かしくもけなげな人間たちが演ずるドタバタ喜劇、スラップスティックの顛末を……。現代アメリカで最も人気の高いカート・ヴォネガットが、鮮やかに描き出す涙と笑いに満ちた傑作長篇。