フィラデルフィアのしがないチンピラボクサーだったロッキー(シルヴェスター・スタローン)は、世界ヘビー級チャンピン・アポロ(カール・ウェザース)のきまぐれで、その対戦相手に選ばれた。エイドリアン(タリア・シャイア)との不器用な相思相愛を得て、彼は勝つ見込みのないリングへと向かっていく…。
号泣。素晴らしい。「これが映画だ!」と感じました。
恥ずかしながらこの歳まで見ていなかったのですが、もう素晴らしいの一言ですね。最近B級映画しか見てなかったので、久しぶりに自分がまともな感覚に戻れたのを感じました。とにかく、素晴らしい。
ラストは読めるんですよ。読めるし、ボクシングもリアリティないし、エイドリアンの人物描写だって、突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めるんですよ。それでいてなぜにこうまで涙があふれてくるのか?
やはり、どうしてもこの物語は『あしたのジョー』を連想しますね。あれも、敗北の物語だったんだけど、「勝敗を超えた何かがある」というストレートな主張を敗北させることによって強調しているんですよね。それが、ロッキーの場合エイドリアンへの愛だったり、「自分がただのごろつきでない証明」だったし、ジョーの場合は「燃え尽きること」だった。我々が憧れるスポットライトの絶頂の瞬間を、『ロッキー』も『あしたのジョー』も、いつかは幕切れの訪れる物語として結晶化させたのだと思います。日々、だらだらと続いていく我々の日常では、この次の日であったり、五十年後が否応なく待っていますから。だから、(個人的な)ロッキーの栄光の瞬間を切り取ったラストシーンが、限りなく美しく感じるのでしょう。
音楽と映像の融合も素晴らしいですね。特にトレーニングで走るシーンに流れる音楽、そしてラストの音楽には鳥肌が立ちました。サウンドトラックが欲しくなりました。
これで続編を作っちゃまずいだろうという感じがしないでもないですが、まあ、シリーズが続いているということは面白いことの一面の証拠でもあるし、続きも見たい気がしないでもないですが、今はまだこの余韻にひたっていたい。とにかく、素晴らしかった。
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