前作から2年、ウッズボローで起きた殺人事件で命を狙われたヒロイン、シドニーは楽しい大学生活を送ろうとしていた。ところがあのハロウィンマスクの殺人鬼が再び殺人ゲームを開始。シドニーや周囲の人間を恐怖に陥れる。
前作も巧みにスプラッタ・ホラーに対しての自己言及をしてくれた映画ですが、今度は「続編」について自分たちで言及してみせ、「続編はつまらない」というセオリーを覆そうとしています。スタッフの気概が伝わってきて、こちらも思わず応援したくなりました。まあ、スプラッタ映画を観つつ、なにを応援するのか、といわれると、これはもう血みどろの展開を楽しもう、というおよそ
人間的とは思えない行為になるわけですが・・・・・・。まあ、そのへんも映画の中で語られているので、見ると自分が嫌になるかもしれないですよ。
そういった批評精神に富んだ映画なので、これまでのスプラッター映画の「セオリー(お約束)」を巧みに守ったり、覆したりすることをやってみせ、観客への挑発的とまでもいえる映画になっています。次への展開がわからないところが、実にたまらないし、「
小憎らしい」という言葉がこの映画を語る上では一番ふさわしい表現かな、と思います。
物語全体に漂うウィットというかユーモア感も、そういったところから生じるのでしょうね。余裕があるんですよね。製作者が物語を距離をとって見ていますから。この映画を観て犯罪に走るような馬鹿者はきっといないでしょうね。結局はメタ・フィクションといっていいほど、フィクションであることを強調している映画なのですから。最初の映画館での狂騒的な騒ぎも、ある意味ではホラーファンに対する警鐘であるように感じました。
前作を超える傑作になった続編だと思いました。
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