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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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アーシュラ・K・ル=グウィン「影との戦い ゲド戦記1」

久しぶりの更新。

 少年ゲドは、自分に不思議な力がそなわっているのを知り、ローク学院で真の魔法を学ぶ。血気にはやる高慢なゲドは、修業中あやまって死の影を呼びだしてしまい、きびしい試練にのぞむ。(岩波少年文庫:作品紹介より)





 よかった。

 この方の作品を読むと、読んだ後に、ずしりと何かが残る。
 幾つもの教訓を、この作品からも授かった気がする。

 当然、ゲドたちの使う魔法にも魅了されるし、龍との対決などにもワクワクするのだけれど、それ以上にこの年になると、賢者たちの言葉なんかが身にしみる。
 光は闇をつくるとか、行為の結果は悪や善となるとか、そういった普段感じながらも明確には言葉にできないフィーリングがこの物語には形となって刻印されている。

 言葉や真の名を知ること、名づけることは魔法である。
 そして、知識を得ること、それを使うことも魔法である。
 ロークの学院で学ぶゲドの姿に僕はそう思った。現実世界で生きる僕たちが、日々、何かを得るために学ぶ行為も、そうだな、と。

 最後に明かされる影の正体についても、非常に哲学的で、全き人間の姿というものについて、考えさせられた。この物語は人の生き方についての書であり、子どものときに出会えなかったのが残念であると同時に、この年齢で出会った幸運を喜んだ。

 大切に読むべき物語です。
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