ちょっと更新する気力がないので、昔書いて放りっぱなしにしていた記事を公開。
僕が読書をなぜするかというと、一言「楽しむため」に尽きます。基本的には純文学も楽しむために読みます。楽しくて、ためになれば、なおいいと思いますが、ためにならないと開き直っているものはさらに大好きです。そして、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けたいのです。と、いうわけで、そんな衝撃を受けた本をいろいろ。
はやみねかおる『そして五人がいなくなる』
ミステリの楽しさを味わって、なおかつスポーツ少年だった僕に、自分がなぜスポーツをやっているのか確認させてくれた作品。教育的でまさに児童のための文学だと思います。人生変りました。シリーズ中では『亡霊は夜歩く』が一番好き。パロディの元ネタをさがしたりして、ミステリの森に迷い込みました。
寺山修二『書を捨てよ、町へ出よう』
書でこれを訴えるという逆説的な部分に寺山修二の面白さがあると思います。題名も文字通りに受け取ったら、バカをみるような気がします。ひねくれてものを見る方法を学びました。「なぜ、母さんと寝てはならないのか」この一文にやられました。あと好きなのは、『青少年のための自殺学入門』、『不思議図書館』など。
沢木耕太郎『深夜特急』
半ひきこもりなので、僕にはこんな行動力はありませんが、世界の旅を疑似体験することができました。この本の影響で、映画『ミッドナイト・エクスプレス』も見ましたが、牢屋での絡みとか、面会でのおっぱい露出とか、そういう部分しか思い出せません。
山際淳司『スローカーブをもう一球』
『江夏の二十一球』もいいですが、表題作が好きです。それぞれの人物にそれぞれのバックグラウンドがあるんだ、ということを認識しました。スポーツも勝利だけでなく、それぞれにいろんな動機づけがあり、自分がそれを見つけていかなければならないんだと学んだ作品。人生に食い込んだ一冊。
大原まり子『処女少女マンガ家の念力』
大原まり子に初めて出会ったのは、鶴田謙二が表紙を描いた『タイム・リーパー』。『機械神アスラ』以外はたぶん全部読んだと思います。『まるまる大原まり子』というムック本まで買いました。モデルとして大原さんの登場するとり・みきの漫画も買いました。その中でも愛着のある作品が本作です。シリーズ通してだと、『ミャコとネコ』というお話が一番好き。短篇だと、『書くと癒される』が最高傑作だと思う(SFじゃないけど)。あとは、同傾向の『有楽町のカフェで』のシリーズが好き。イクラシリーズも好きだった。岡崎京子のイラストがよかった。
井上ひさし『百年戦争』
スピッツに『猫になりたい』という曲があります。僕も猫になりたいです。このお話もある朝起きたら猫になってました、というお話。そこに宗教が絡んできます。僕の親友がある宗教の信者です。でも、僕は無神論者です。この作品は読ませられんなあと思います。中学生の時に初めて読んで、上下巻ありますが、もう五、六回は読み返しています。すてきなジュブナイルだと思います。
椎名誠『わしらは怪しい探検隊』
『あやしい探検隊北へ』までが大好きです。あとは、普通に好きなていど。初期のエッセイは破壊力があって、ホントに面白かった。陰気な子安が寝袋に入っているところが、一番記憶に残っている。本がボロボロになるまで、消費しつくした一冊。『アド・バード』などのSF作品も好きですが、出会いのこの一冊が一番やっぱり大切に思える。
大槻ケンヂ『ボクはこんなことを考えている』
と学会の本とかに凝りだした時期に呼んだ一冊。変なものに突っ込みを入れる生きがいを得ました。サブカルにのめりこんでいったのもこの頃でした。UFO話とか、SF方面にいったのも、このエッセイのせいかもしれません。
佐々淳之『連合赤軍浅間山荘事件』
手に汗にぎるというか、臨場感伝わってくる本物の記録。宗田理の『ぼくらシリーズ』によって、ゆがんだ学生運動の概念をするこまれていたので、警察の側から見た学生運動という視点も新鮮だった。あっ、それは『東大安田講堂』のほうだったか?危機管理なるものも学べて一石二鳥ではないでしょうか。
辻仁成『海峡の光』
ロックン・ローラーの歌う「自由」ってなんだろう?そう思っていたロック好きのボクのもとに降ってきた本。ゼミでこの作品を取り上げたのも、思い入れに一役買っています。函館という土地をうまく使って、かなり計算されて書かれた本。自由ていったいなんだい?エッセイ『ガラスの天井』も好きです。
筒井康隆『東海道戦争』
中学生の時に読んで呆然としました。こんなに面白い本があったのか!『東海道戦争』なんかにもやられたし、なにより『群猫』が素晴らしかった。ほかのはちょっと中学生には難しかったかな。『信仰性遅感症』なんかもエッチで強烈に印象に残っています。筒井さんの文庫は古本屋で安かったし、かなり読みました。角川文庫の流麗なカバーが好きだったなあ。横溝正史なんかの装丁もよかったし。
野坂昭如『アメリカひじき・火垂るの墓』
野坂昭如はこれ一冊しか読んでいないのですが、まず文体が強烈でした。あくまで、淡々と進んでいく、そのさまが逆に悲劇を浮き立たせていて好きだったのです。戦後を舞台にした作品が好きなので、ほかの作品もけっこうよかったと思います。なぜ、これ一冊しか読んでないのだろう?
星新一『ボッコちゃん』
小学校の学級文庫にあった一冊。衝撃でした。その一言だけです。
まだまだあります!
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