ご存じほらふき男爵が語る奇想天外な冒険談。狩やいくさの話はもちろん、水陸の旅に、月旅行から地底旅行まで、男爵が吹きまくるご自慢の手柄話に、あなたもむつかしい顔はやめて、ひとときの間、耳を傾けられてはいかが?名匠ドレーの挿し絵百数十葉を収録。
面白い!
ホラ話っていうのは本当に好きだなあ。体験談も脚色を限りなくしていくと、こういう形になるんでしょうねえ。
特に好きなネタは、戦のときに煙幕を張って名馬でそこを駆け抜けてゆき、気がつくと馬が上半身だけになっている。下半身は牝馬とよろしくやっておって、その子どもたちは遺伝で下半身だけで生まれてくるというすごい話。
さらには敵方の斥候にでかけるために味方の撃ち出した大砲の弾にひょいっと乗っかったのはいいが、一方通行だと気づいて、今度は敵方の撃った弾に乗っかって戻ってくるというお話。笑いました。
月に飛んでってしまうお話があって、その中で月人のお話があるんですが、月人は高齢になると頭と胴から下が外れてしまって、ちょっとしたことで外出するときは生首だけでおでかけするそうです。
イラストもとてもすてきです。奇想が好きな人、笑い話が好きな人にオススメ。元ネタを知らずに読んだ星新一の『ほら男爵 現代の冒険』ももう一度読み返したいと思います。
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