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寺山修司『ぼくが狼だった頃 さかさま童話史』

img136.jpg はだかの王さまは露出狂で、ピノキオはポルノ童話で、赤ずきんはニンフォマニアだ―――「大人になったら、名作童話に復讐してやりたい」という著者が、世界の名作のうそをあばき、抱腹絶倒のうちに「詩と真実」を見出す。女学生だけでなく、全大人も必読のユニークな「新イソップ物語」いわゆる「大人の童話」

 何年かぶりに寺山修司を読みます。深読みの達人、寺山修司。彼によって僕は世界をひねくれてみることを覚えました。

 アンデルセンの「はだかの王さま」はすごい肉体美だった。この題名だけでも、すごく面白そう。仕立て屋は「「美」というものが観念の産物であって、肉眼では見えないものだということを啓蒙するため、わざわざ、ソクラテスまがいの問題をだして、王さまとその周辺の人たちをなやましたのだ。」王様は自分の肉体に自身があったから、公衆の面前で裸をさらしたのだ。それをわからない子どもが王様を笑った―――実に面白い解釈だ!

 「ブレーメンの音楽隊」は老人残酷物語である―――読んだのは幼児の頃だったけれど、あの音楽隊はみんな年取って生きていけなくなった人びとだったんだねえ。読み進めていくとひどい話になっていく。「本当は残酷なグリム童話」なんていう本がブームになったことあるみたいだけれど、たしかに今の目で見れば童話って残酷なんだなあ。

 あとは現代版に童話を翻訳するというお話。ピノキオの鼻は実はペニスだった―――これは実に面白い。山田風太郎に「陰茎人」というお話もありますが、鼻がペニスっていう発想は面白い・・・・・・。読者投稿の続編も実に素晴らしい。奇想的なものが好きな人にはたまらないお話です。

 「頭の遊び場」って感じです。
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