殿中での吉良への刃傷沙汰により、浅野家は断絶され、赤穂浪士は仇討の機を窺う。一方、吉良方が頼りとする上杉家では、家老の千坂兵部が女忍者を用い、仇討防止に色仕掛けで浪士の骨抜きを企む。大石内蔵助が同志と密議の最中に、妖美と怪異の忍法が華と炸裂した!殺気と妖気が奔流のごとくに交錯する!
お、面白すぎる!
バトルです!バトル漫画よりもバトルしています。しかも、バトル漫画の王道、少年漫画にはない淫靡さと空想性!大人にしかわからない、楽しめないバトル漫画!
主人公「無明綱太郎」という名の面もみごとだけれども、紙で魚を刺身にしたり、伊勢海老を名の通りの生け作り(なんと泳いでいる海老が大皿に乗っかると同時にパラリと殻がほどけ、刺身盛りになる!)にしてしまったり、冒頭から忍術が炸裂します。
四十七士を骨抜きにするために九の一を放つという設定もさることながら、やはり毎回のごとく、女忍者たちの閨房術(?)がすさまじい(ここには詳しく書けないけれど)。干からびていく男たちが可哀想。特にお弓の使う「歓喜天」なる技がすごい。特に少年も交えての第二ラウンドは・・・・・・(以下自粛)。
女たちに比べて地味ながらも、敵方能登組の男性陣もなかなかやります。特に好きな技は体内に飼う寄生虫で戦う「忍法血虫陣」、ものすごく細くなっちゃって敵のもとに忍び込む「忍法一ノ胴」(すぐやられちゃったけど)。
全体を流れるのは忠義の問題です。忍者は忠義と共に死ぬ代表的な例ですが、自らのイデオロギーと共に死を選び、或いは貞操を捨てる人々の物語になっています。そして、それを理解できず外側にいるように見える無明綱太郎ですら、女の貞操の観点から人殺ししているわけだから、彼だって「忠義」ではないにしろ、何かにとらわれた人のように僕は思えました。様々な人間の人生がぶつかりまくるからこそのバトルなのだ、となにか一人で納得してしまいました。
PR
COMMENT