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澁澤龍彦『高丘親王航海記』

 貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼児から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と化していたのだ。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考えたことは・・・・・・遺作となった読売文学賞受賞作。

 お久しぶりです。数ヶ月ぶりの更新となります。

 いやー、おもしろいですわー。

 落飾し僧となった元皇太子高丘親王が仏教の聖地である天竺へ行くお話しである。もちろん、澁澤龍彦のお話だから、ただ天竺に行くだけではなく、そこには幻想的な光景が繰り広げられます。

 最近、江戸時代の文献を少し見る機会があって、江戸時代の図鑑『三才図会』などで、外国人は蛮人として描かれており、長人国や小人国など聞くだけでワクワクするような名前が出てきます。当時の人々の知識では外国人はなんだかわけがわからないものだったのですね。だから、犬の頭の人間がいるとか、羽が生えている人間がいるとか、本当に信じていたわけです。鎖国時代で情報が入ってこない中、人々はそういうものに憧れたんですねー。

 この小説の時代はそれより以前なのですが、おそらく中国の文献に頼っているらしく、資料名を挙げて小説っぽくなく澁澤龍彦は語ってくれます。しかも、「六百年後の世界ではコロンブスがアメリカ大陸を・・・・・・」というような、時代を無視した発言が出てきて、「うわー、筒井康隆の時代小説みたい」と思いました。そんな不思議な語りで語られる、めくるめく不思議な世界。

 猿の王様が司る後宮で下半身が鳥の女を目撃したり、夢を食って生きる動物獏のエサ係になったり(しかも、その糞はえもいわれぬ香りなのだ)、犬の頭をした男を目撃し、さらにはその男の股間に鈴がぶら下げてあって、貞操帯の代わりにしているなど、もう頭がはじけそうな面白さ。

 SF好きも、そうでない人も、ぜひ、一度読んでみることをオススメします。

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