カバラ、占星術、タロット、錬金術、低俗魔術、妖術、サバト、黒ミサ、自然魔法など、俗に黒魔術と称されているオカルティズムをめぐるさまざまなエピソードを紹介したエッセイ集。
ほとんどこの関係の書物がなかった六十年代に発表された本書は、刊行後強烈なインパクトを与えたことで有名で、このジャンルの書物が続出するひきがねとなった先駆的作品である。
ゲームなんかでよく黒魔術、白魔術とでてきますけど、僕は白魔術のキャラクターよりも黒魔術のキャラクターのほうが好きでした。
薔薇十字というのがいかなる団体なのかがわかってよかった。なんだかステキな響きですねえ、薔薇十字。ヨーロッパ人の名前って面白くて、大魔道士パラケルススとかこれまた響きがエレガント。
黒ミサとかサバトとか、こういう反キリスト的な禍々しいものにはなんだか興味があって、そういえば映画の「クリムゾン・リバー」とか「オーメン」とか面白かったなあといろいろそれ関係のものを思い出しました。
興味があったのはホムンクルス、人造人間について。人間を作るっていうのは神の意にそむく反逆行為だそうですが、無神論者の僕にはあまりそういうことに抵抗がないんですよね。SF読むといつも思うことだけど。もう少し、いろいろ例が知りたかったなあ。
後半は青ひげとして後年有名になったジル・ド・レエのお話。実はジル・ド・レエは奥さんを殺したんじゃない。幼児や少年を殺したんだって話なんですが、余計悪いように思えますが?うーん、こういうサイコさんの殺人は昔からあったんだなあと俗っぽいわたくしは思ってしまったのでした。性的倒錯も社会に適合していればオッケーだと思うけれど、ここまでいってしまっては人間じゃなくて、悪魔と呼ばれてもしょうがないですな。
三島由紀夫が褒めてくれたんだそうですが、頽廃的なものに美を感じる人にはたまらないものがある本だと思います。
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