筒井康隆の文芸時評です。
書評というのはその作品を読んでない場合にはガイドに、読んでいる場合は共感とか新しい発見とかになると思います。僕が読んでいるのはヴォネガットの『ホーカス・ポーカス』、清水義範『世界文学全集』の二つだけ。五十一分の二作です。
SF関係では大江健三郎『治療塔惑星』、バラード『ウォー・フィーバー』、オールディス『一兆年の宴』、ディーノ・ブッツァーティ「タタール人の砂漠」が取上げられています。最後のディーノ・ブッツァーティの場合は、「SFマガジン」に掲載された「戦艦の死」についても語られていて、「ああ、そういえばそんな意味のわからない作品があったなあ」と思い出しました。
筒井康隆と交流のある作家の場合には火田七瀬が、演劇に関する場合には美藝公が、文学理論に関係のある場合には唯野教授が、それぞれ語り手として登場するので筒井ファンには楽しいです。
ガイドとしてこの書を使うとき、特に読みたくなったのは丸山健二「千日の瑠璃」、井上ひさし「括弧の恋」、笠井潔「哲学者の密室」、です。あとは西洋古典もきちんと読まなきゃいけないなと思いました。
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