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海外古典を読む⑨ ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』

img223.jpg 暖炉の上の鏡をくぐりぬけ、アリスはまたまた奇妙な冒険に飛びこんだ。おしゃべりをする花たち、編物をするヒツジ、ハンプティ・ダンプティ、ユニコーン、赤の女王etc.鏡の国をさまよっていると、つぎつぎに不思議な住人があらわれて、気がつくとアリス自身も女王さまに――。チェスのゲームを物語に織りこんだ夢とユーモアあふれるファンタジーを金子国義のオリジナル挿画で贈る。

 なかなか面白かったです。

 言葉遊びが身上の本なのでしょうが、英語に弱いので原典で読めないのは残念ですが、ジャバヴォッキのところなど訳者が苦心惨憺して訳しているので日本人でも楽しめます。字の反転などの活字的な部分なんかも「おっ」と思いました。

 連想ゲームのように登場人物が出たり消えたりせわしないのでついていくのにやっとだった部分もあるのですが、それも夢の中のような変な酩酊感を覚えるので気持がいいです。第10章、第11章あたりの遊び心も楽しい。
 それから、赤の王様の夢か、それともアリスの夢か?という夢問答がでてきてこういう問題設定は大好きなのではまりました。

 一番好きだったシーンはアリスが女王になったときのパーティーで、羊の腿肉に紹介されるシーンです。

 「アリスさん、こちらは羊さんです――羊さん、こちらはアリスさんです」羊の腿肉はお皿の中で立ちあがると、アリスにかるく会釈してね。アリスは両脇の女王さまをかわるがわる見やった。
 「いりませんとも」赤の女王さまあhいやにきっぱりと、「紹介された相手を切るなんて、礼儀に反しますよ。腿肉をお下げ!」

 
腿肉がどのように立ち上がり、会釈をしたのかが気になります。さらにこの後、プリンを一切れきると当のプリンに「なんて失礼なんだ」と怒られ、「ぼくがあんたを一切れきったりしたら、どんな気がするかってんだ、畜生!」と言われるシーンなんて笑えます。

 遊び心に満ちたたのしーいお話です。でも、ルイス・キャロルってロリコンさん?
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