鈴木・M・タツヤとノーマ・S・サディアは愛を誓い合い、結婚する。そして、
アタミー恒星系の第二惑星
ユガワーラへの新婚旅行を計画する(熱海と湯河原ですな)。しかし、購入した宇宙船が中古のボロだったために、航行不能になり、そして偶然にも人間の生存できる環境の惑星に不時着する。第一発見者であるタツヤとノーマはこの惑星を
二人の愛の巣、
惑星LOVEと命名。文明や労働力の必要性から互いの細胞から五千万人ずつクローンを造り出し、五千万組の夫婦が誕生した。ほんの数年で文明は築き上げられた。しかし、
どこへ行っても同じ顔、テレビをつければ夫婦間の殺人、家に帰れば夫婦喧嘩。この夫婦喧嘩がエスカレートしていった結果、男女を二分した戦争へと発展したのだった。そして、核戦争・・・・・・。惑星LOVEは崩壊した。一人生き残ったタツヤが生存者を求め、荒廃した大地をさまよっていると、生き残ったノーマがタツヤに駆け寄り二人は固く抱きしめ合った。「あたしたち、もう一度やり直せる?」「もちろんさ・・・・・・しあわせになろうね」こうして惑星LOVEにおける
第一次夫婦ゲンカ戦争は終わりを告げたのであった。
現在、史上最大の親子喧嘩と銘打たれた作品がチャンピオンで連載(『範馬刃牙』)していますが、この作品は
史上最大の夫婦喧嘩として定義していい作品だと思います。
白眉なのは文明を築き上げてからの日常生活描写です。会社では
全員が鈴木さん。クローンだから、同じ顔、同じ声、同じ名前の者ばかり。酒でも飲むかとキャバレーに入れば、源氏名は別々だが、
ホステスは全員我が妻の顔。妻に浮気を疑われるも、「お前と同じ顔の女と浮気してなにがおもしろいんだ?」との言い分。なるほど、もっともです。この状況を既婚者である友人に話したところ、遠くを見る目でぼそっと「
それはカンベンしてほしい・・・・・・」と呟きました。なんだかリアルな生活ぶりが見えるようで、哀愁を感じてしまいました。
結婚って、夫婦ってなんだろう?十年後くらいにこの漫画を読んだとき、僕がどう感じているかが楽しみです。
っていうか、その前に結婚できるのか?という不安に胸を痛ませつつ、この文章を終えたいと思います。
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