押井守監督の映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』はアメリカのビデオセールスで初めて日本の作品で一位を獲得するという快挙をなしとげました。その原作となったのが士郎正宗の『攻殻機動隊』です。
企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程情報化されていない近未来・・・。犯罪の芽を捜し出し除去する攻性の警察組織、公安九課、通称『攻殻機動隊』に所属する草薙素子(少佐)はバトーやトグサら同僚と共に任務に明け暮れていた。ある日、人形使いと呼ばれるAI(人工知能)が企業のサイボーグの中に逃げ込み、亡命を求めてくる。事件は外務省が介入し、荒れ模様になるものの解決をみた。そう思われていたのだが・・・。
先日、押井監督がNHKのサイボーグ特集に出演していました。押井監督呼ぶよりも士郎正宗を呼んだ方がよかったんじゃないかと思ったのは僕だけじゃないと思いますが。
このマンガの特徴はなんといってもその情報量の多さです。作者自身が「当単行本は作品と欄外文を同時進行でお読みになりますと、混乱を招きやすく」と描いてある通り、
欄外にびっしりと印刷された細かい文字がものすごい量です。登場人物のセリフだって多いのに、欄外の補足説明まで合わせると完璧にすべてを読むには数時間が必要。老眼の人にはかなりつらい作業になると思われます。
映画とは違ってコミカルな部分がかなり多く、フチコマというロボットがかなり可愛く描かれています。素子は脳みそ以外は義体化(サイボーグ化)している女性。映画では見られなかったですが、女性三人とのバーチャルセックスや、映画(『イノセンス』)では気味悪かっただけのトムリアンデや素子の
ショートパンツの食い込み具合など見所がいっぱいです(←間違った紹介)。
サイボーグの作り方やフチコマたちの反乱抑制プログラムなどかなり作りこまれた世界設定があなたを知的空間に誘ってくれるでしょう。読み終えれば
ハードSFを読んだ後のようなやり遂げた感をえられると思います。ちなみに二巻はほぼ別物のマンガです。
PR
COMMENT