セクシャル・バイオレンス・サスペンス・オカルト・ミステリー・SF!
と、印象を語ればこのような外来語がずらずらと並ぶ。
不自然な死をとげた建築家の残した遺稿の中に古代イスラームの暗殺教団に関わるものが?事件に巻き込まれていく男たち。徐々に明らかになり、そして混迷を深めていく謎。アトランティスのクロノスの壺、貞淑な妻の突然の失踪、赤い酒場、公団住宅への圧力・・・。
吸血鬼や狼男伝説などのオカルトを現代的に解釈しながら突き進んでいく物語。「これは面白い!」と心の中で叫び続けながら読み耽りました。多少、官能シーンがくどすぎて辟易するところもありましたが、それも人間を超えた存在になった故のこと。エロ・グロ描写に背筋も凍るSF大作でした!
ヴァンパイアの仲間に選ばれ、人間性を失っていく隅田の姿。そして、狼男と化し、最後に復讐を遂げる伊丹。ヒトならざるものの感覚とはいったいどのようなものか、僕自身選ばれたら、それまでの人間の心のプログラムを失い、向こう側に行ってしまうのか、そんなことを考えてしまうラストでした。でも、考えたら、ヴァンパイアの仲間入りするのは、その人間の
容姿が整っていることが条件だから、僕は入れてもらえないですけどね・・・(フン!)。エリート主義との対決という一面も見える良作でありました。
PR
COMMENT