所変われば品変わる。ましてや、それが空間的に隔たった場所ではなく、時間的に隔たった場所であれば、それはなおさら。
正体は「food」。食料でした。口から食べ物を摂取しなくなった時代、というか細菌兵器のせいで、食べ物がなくなってしまった時代。食べ物のことを口にすることは、たいへん卑猥なこととされていたのです!
登場人物たちは、嫌悪感を催しながらも、ギラギラしたような目で「食料」を見てしまうのです。猥褻なものに対する嫌悪と興味は表裏一体ですね。
ウェイドの釈放手続きをとり、家に招いた行政長官は、ウェイドに「静脈酒」を勧めます。にんにく注射みたいなものなのでしょうか。静脈から酔っ払う成分をひたすらぶちこまれるウェイドはふらふらに。その間に、行政長官はウェイドの持っていた食料を奪い取り、食べ始めるのです。しかし、その描写は非常にいやらしい。クラッカーに肉をはさんで、食べているだけなのに。食事っていうのは実は猥褻な行為なのではないかとこちらが勘違いするぐらいに。
さて、ここからは平凡で、相手の武器を奪ったウェイドはタイムマシンに乗り、現代に帰還。ここから、最後、気の利いたオチ。帰還の祝いに食事に誘われたウェイドは思わず赤面してしまうのでした。
さて、題名はちょっと衝撃ですが、伏字の部分を公開すると、「おまんま」なので、特にいやらしくもないと思います。他の訳では「ショク・・・」とか「食物の誘惑」などといった邦題になっているそうですが、いや今回の邦題が原題の感じを一番捉えていると思います。現代は「F---」。fuckとfoodをかけているそうなのですが、題名から内容から笑いと少しのうそざむさを感じることのできるお気に入りの作品です。
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