もし、大阪にエイリアンが侵攻してきたら・・・・・・。
大阪の歴史、風土、人々の人間性にまで踏み込んだ、まさに地方SF。これだけ、土地柄を前面に打ち出していけるのも、大阪という土地ならでは。
ミキは、大阪人の例にもれず、恐怖心より好奇心が勝ってしまうタイプだった。
最も効率よく儲けるには、どうすればいいか?こういう部分には笑ってしまいます。
大阪には独特の文化圏があるというようなことは、小松左京や梅棹忠夫の本で読んでいるところではありますが、この小説を読んでもそれがひしひしと伝わってきます。なにより笑いに貪欲なこの小説、それを増幅させるために、固有名詞もいくつかでてきます。横山ノック、ジミー大西、そして、なにより小松左京が産経新聞に書いたというエッセイの内容がいかにもありそうで、SFファンにはうれしいところ。
さて、本書はもともと『SFバカ本』に収録されており、高校時代に僕も一度読んでいます。なにより、下ネタが多かったような印象にありますが、この作は小松左京のバカSFの系譜をついでいるなあと個人的には思います。初まりの学際的な雰囲気がそう思わせるのでしょうか。思えば、この作品の初出時には小松左京もご存命でいらっしゃった。
そういえば、僕は高校時代、熱心に大原まり子作品を読んでおりまして、特に好きな作品は「有楽町のカフェで」(『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』収録)「書くと癒される」(『超・恋・愛』収録)。もう一度読みたくなりました。バカSF系でいくと「異動理論」とかも記憶に残っています。処女少女マンガ家シリーズなど、なんどくりかえし読んだことでしょう。イクラシリーズをニヤニヤしながら読んだのも遠い昔のことです。『まるまる大原まり子』というムック本をブックオフで百円で見つけて、歓喜したことも昨日のように思い出せます。
僕の中では青春時代の友だちに偶然街中で出会ったような、すてきな読書体験となりました。
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COMMENT
4年B組SFクラスシリーズ
『愛はなくとも資本主義』、凄い副題ですね(笑)。
大阪独特の雰囲気というのは、SF作品でも結構見かけますね。小松作品でも、ユーモア作品で関西弁は良く出てきますし。
今回は、僕の知っているジュヴナイルSF、フィリップ・カーチスの『四年B組SFクラスシリーズ』をご紹介します。
イギリスの田舎町にある、チェイズ小学校。ブラウザー先生が受け持つ4年B組は、摩訶不思議なSFクラス。いつも生徒の誰かが、SF的大事件に遭遇するからです。
さて、今回の事件は…?
フィリップ氏はイギリスの小学校で校長先生を務めた事があり、その時の経験を生かして発表したのが、このユーモアSFシリーズです。
ブラウザー先生を始めとした、4年B組の生徒たち。登場するSFキャラも、子供を洗脳しようとする宇宙人ノーケズリ、地底人アナホーリ、ハレー彗星とともに旅をする宇宙放浪者など、実に多彩です。アリス館という出版社から、全五巻が出版されていますが、まだ未訳のエピソードもあるそうです。下記がシリーズのタイトルです。
宇宙人ノーケズリがきた!
地底人アナホーリの使者
ハレーすい星から、転校生
またきた! ノーケズリ
ノーモア、核弾頭!
1980年代の古い本ですが、僕にとっても小学校の図書室で何度も借りた、思い出深いシリーズです。機会があれば、ぜひ一読を。お勧めです。
ではまた。
Re:4年B組SFクラスシリーズ
ではでは。