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SF読もうぜ(165) 筒井康隆『驚愕の曠野』

img100.jpg見出されては失われ、失われては見出される〈書物〉―――。語る者は語られる者となり、書く者は書かれる者となって、時空間を遥かに越えて行く〈果てしない物語世界〉―――。新しい小説空間の誕生を告げた会心作!


 驚愕!面白すぎる!

 筒井康隆を表現する場合には、「面白い」だけでは足りません。「すごい!」こう言わなければ、気持ちに言葉が追いついてきません。やっぱり、初期のSFも好きですが、実験小説や、この作品のような小説の構成をくつがえすような作品がすごい。

 仏教的な転生が繰り返される世界で、果てなく続くような長い物語が繰り広げられている。なんといっても、「第332巻」から始まる冒頭がゾクゾクさせるではないですか!さらに、物語を読んでいる登場人物が、物語の中に溶け込んでいくという、外枠と内枠がつながってしまうところに、これまた痺れる・・・・・・。ただの小説ではないところが、筒井康隆の筒井康隆たるところです!

 舞台は、おそらく最終戦争後の世界。怪物が跳梁し、乏しい食料を人間と奪い合いながら生きなくてはならない世界。死生観がドライで、殺伐としていますが、そこがまたいいのです。
 僕はジャンル分けというのにあまり拘泥しないほうだと自分では思うのですが、「SF読もうぜ」と掲げているあたり、けっこうこだわっているのかもしれません。これもSF境界作品ではあると思うのですが、「SF読もうぜ!」という気分にさせられたので。人類の黄昏の時代というのは、身内に燃えるものがあるんですよ。SFジャンル論というのは語れば語るほど、深みにはまっていく底なし沼のようなものですから、ここまでにしたいと思いますが。

 とにかく、素晴らしかった。
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これは面白そう!

  • by 智洋
  • 2007/04/26(Thu)21:19
  • Edit
 こ、これは面白そうですね! 「第332巻」も、物語の内枠と外枠も、むちゃくちゃ好みの話ではないですか! たしかこの本、先週見かけたような気がするので、急いで買ってこよう。

>筒井康隆を表現する場合には、「面白い」だけでは足りません。「すごい!」こう言わなければ、気持ちに言葉が追いついてきません。
 わかります。そうなんですよねー、衝撃を受けるんだよなあ。

面白いです

  • by A・T
  • 2007/04/27(Fri)11:41
  • Edit
 筒井康隆の小説はどこか「飛び越えちゃってる」という印象があるんですよね。この小説もその一つだと思います。
 ドタバタであれ、グロテスクさであれ、小説の構造であれ、「飛び越えている」その部分が、筒井康隆という小説家のすごさだと思います。自分にはこんなこと考えもつかない!というところが、プロの作家である証だと僕は思うので、彼こそ本物の芸術家だと崇めてしまうのです。

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