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SF読もうぜ(269) リチャード・マシスン『アイ・アム・レジェンド』

img233.jpg 夜が来る。ネヴィルは一人、キッチンで夕食の用意をする。冷凍肉をグリルに入れ、豆を煮る。料理を皿に盛っているとき、いつものように奴らの声が聞こえてきた。「出てこい、ネヴィル!」・・・・・・突如蔓延した疫病で人類が絶滅し、地球はその様相を一変した。ただ一人生き残ったネヴィルは、自宅に籠城し、絶望的な戦いの日々を送っていた。そんなある日・・・・・・戦慄の世界を描く名作ホラー、最新訳で登場!(『地球最後の男』改題)

 いやあ、傑作です!

 ウィル・スミス主演で映画化した作品ですが、CMで見たものとはまるで違う印象です。なんせ夜な夜な吸血鬼が襲って来る!うわあ、B級だあ!と読み始めは思ったのですが、ラストでうーんと唸るつくりになっております。昔の題名は『地球最後の男』だそうですが、原題は『I AM LEGEND』ですから、むしろそのままになったわけですし、ラストの一文の効果を考えるとこの題名であるべきだと思います。

 フレドリック・ブラウンによるSFとファンタジーの区分けによれば、これはSFに属する物語ということになるでしょう。なぜ吸血鬼ににんにくが効くのか?十字架はどのような効果があるのか?吸血鬼が血を吸うとなぜそいつは吸血鬼になるのか?なぜ杭を心臓に打ち込まないと死なないのか?いろいろの疑問に解決を与えてくれます。そして、時々ギャグにも使われる「吸血鬼が増え続けていくといつか人間いなくなるよね?」という疑問にも答えてくれて、それがラストの種明かしにも繋がっているような気がします。苦いのですが、このラスト最高!

 時計が止ってしまって夜になるというベタな展開があるのですが、帰ってきたら家の周囲を吸血鬼(というかゾンビだよねー)が取り囲んでいて、走って追いかけてきます。思わず顔がほころんでしまうB級映画的シチュエーション。走るゾンビが登場する『ドーン・オブ・ザ・デッド』を思い出しました。ゾンビが知性化する『ランド・オブ・ザ・デッド』もすでに先取りしている――というか「解説」によるとこの本が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の元ネタなんだそうですから、当たり前ですね。ゾンビの国の建設など、原典がすべてやってしまっていて、本当にすごい作品だなあと思いました。

 とにかくゾンビ好きには嬉しい作品でした。今後は吸血鬼ものもたくさん読んでいきたいと思います。商店の商品を勝手に持ってくるという「ひとりぼっちシチュエーション」も楽しめて、一石二鳥の傑作でした!
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