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SF読もうぜ(280) 『デューン 砂の惑星④』

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デューンの四巻目


 そう来たか~。

 ジハドを避けるためにポウルのとった手段。それは皇帝の娘との結婚。あらゆる未来の選択肢からポウルが選んだのは、いかに犠牲者を出さずに治世を勝ち取るかということでした。「王道」は険しいですねえ。

 ガーニイ・ハレックとの再会、ムアドディブの伝記?を書いていたイルーラン姫の登場、ハルコンネンの死など、ラストを飾るにふさわしい伏線の回収に心が躍りました。

 さて、ポウルの妹エイリアは子どもながらに大人の言葉や習慣を知っており、能力者として不気味な存在となっています。しかも、敵方に乗り込んでハルコンネンを祖父と知りながら殺します。舌足らずのその口調と話す内容や行動のギャップがいい味を出しているキャラクターです。

 相変わらずジェシカが犯人だと勘違いする面々にイライラしていましたが、ガーニイは殺害寸前までいって気づき、ハワトは死ぬ寸前に気づいて深く後悔していました。あー、よかったよかった。

 最後まで僕の中では、『デューン』と『ナウシカ』の世界が重なっていました。「王道」の部分ではクシャナに対するユパの遺言が思い浮かびましたし、エコロジーがテーマになっているところ、サンド・ウォームと王蟲など・・・・・・。

 「めでたし、めでたし」といきたいところですが、「みんな幸せに暮らしました」とは終わらないようです。すでに、第二部は悲劇であると訳者あとがきで言われてしまいました。「王」としてポウルがどのような道筋をたどるのか、見届けたいと思います。
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SF紹介 ―ミュータント―

  • by ヌル
  • 2008/03/28(Fri)17:21
  • Edit
こんにちは、A・T様。
この前薦められたアーサー・c・クラークの『白鹿亭奇譚』、昨日読み終えました。実に面白かったです。
お気に入りのエピソードは、『みなさんお静かに』、『臨界量』、『究極の旋律』、『反戦主義者』、『隣りの人は何する人ぞ』、『登ったものは』などです。
特に最後のエピソードは、完璧に度肝を抜かれました。それにしてもハリーがその後、バーから永遠に姿を消してしまったのが、ちょっと残念です。

さて、今回のSF紹介は僕が銀背に興味を持つきっかけになったSF、ルイス・パジェットの『ミュータント』をお話しましょう。
舞台は核戦争後の未来。そこには人の心が読める、ボールディ(丸坊主)という人たちがいました。その名の通り毛髪も眉毛もない彼らは、放射能が生み出したミュータントです。普通の人々は、普段から彼らがテレパシーで自分たちの心を読んで嘲笑っていると思い、彼らを毛嫌いしていました。しかしボールディたちは、いつか自分たちの時代が来ることを信じて、日々差別に耐え抜いていました。
しかし悲しきことに、中には鬘とつけ眉毛を身につけて一般人と仲良くするボールディたちを臆病者と罵り、自分たちこそホモ・スペリオール(超人類)と唱えて、旧人類を滅ぼそうとするタカ派の連中もいました。もしそのことがバレたら、人類とミュータントの壮絶な戦争を招きます。ボールディたちは旧人類との共存のため、日々戦い続けるのでした。

この本はいつも通っている図書館で、何故か一冊だけ存在する銀背で、僕を銀背SFの世界に引き込んだ記念碑的存在です。
動植物のミュータントは、稀に発生することがありますが、人間のミュータントはどうでしょう? もしかするとテレビに時々出ているエスパーは、本当にミュータントかも知れませんよ? (いや、まさか・・・)
ではまた。

ご無沙汰しています

  • by ユキノ
  • URL
  • 2008/03/28(Fri)23:52
  • Edit
「デューン 砂の惑星」映画版は見たんですが
小説の方は未読です。
サンド・ウォームは大迫力でした。
小説でどう表現されているか気になります。

無題

  • by A・T
  • 2008/03/30(Sun)07:06
  • Edit
 ヌルさん

 こんにちは。『ミュータント』はSFMで紹介をみたことがあるような気がします。人間より更に環境適応できるものがでてきたら・・・・・・。僕ら「旧人類」はどのようにすればいいんでしょうね?僕はむしろ置き去りにされてしまった「旧人類」のほうに感情移入してしまうかもしれません。あらすじをきくと、ヒーローものみたいで楽しそうです。放射能→ミュータント化と聞くと、被爆国の人間としてはいつも複雑な気分になるのですが。そういえば「白鹿亭」にも原子爆弾で家族を失った日本人が登場しますね。

 ユキノさん

 僕は逆に映画版のほうを見ていないので、今度は映画のほうにチャレンジしてみたいと思います。デビット・リンチ監督なんですね。これは見なきゃ!
 今『移動都市』の続編の『掠奪都市の黄金』を読んでいますが、いろんな意味で面白いです。

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