「クソは変わらず日付が変わる」をモットーに、メイン州の町デリーで育った、ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人組。成人した今、それぞれの人生に問題を抱えながらも、毎年晩秋になると山間での鹿撃ちを楽しんでいた。だが、奇妙な遭難者の出現をきかっけにいやおうもなく人類生殺の鍵を握る羽目に――。モダンホラーの巨匠が全精力を注いだ畢生の大作、開幕!
「クソ」が文字通り大量に登場するお話です。
尾篭な話が嫌いな人は、きっとやめたほうがいいでしょう。とにかく、ゲップ、おなら、脱糞と続きます。さらには、犬の糞まで食わせようとしますからねえ。主人公の幼馴染四人組の合言葉も「クソは変わらず、日付が変わる(SSDD)」。ビーヴァーの繰り出すギャグの何割かに、ハテナマークが浮かんでしまいますが、これは文化の違いということで片付けていいでしょうか。
ストーリー展開はいきなり、空飛ぶ円盤目撃のニュース記事の羅列から始まります。思わず、「ワクワク、ワクワク」とアラレちゃん並に口に出しそうになりました。
そして、主人公の四人組のエピソード。些細な超能力――「線」が見えること――を使えるけれど、それぞれに惨めな人生を送っていることが描かれる「SSDD」な毎日。モダンホラーっていう言葉はよくわからないけれど、推理小説で例えると社会派推理小説みたいだなあと感覚的に思いました。その暗さ(社会的にも人間的にも)で現実を抉り出し、リアリティを創りだすというような――その日常性に(ただ、起こる事件の規模がたいへん違いますが)。
とりあえず、様々な伏線を撒き散らしながら、物語は進んでいきます。ダディッツの登場なんか、ほんとうに見事な手際です。山小屋にやってきた、大量の屁をひる人物の正体はまだ明かされていませんが、非常に楽しみです。さっそく、2巻目に突入したいと思います。
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