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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(137) 『S-Fマガジン』1963年2月号 三周年記念増大号 日本作家特集!

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安部公房・中原佑介『時間旅行調査委員報告』

 時間旅行法の制定を試みています。時間というのは、現代科学でも解明されていない部分が多いわけで、哲学的観念での思考が、非常に面白い。で、結局制定されたのは、1.タイム・マシンの発明された以前の過去をみだりに変更してはならない。2.タイム・マシンは必ず公共の機関に登録すること。3.もうひとりの自分に面会している間はタイム・マシンの使用は禁じられる。4.タイム・マシンの個人使用はタイム・パトロール法という法律の発効後に限られる。5.タイム・マシン発明以前に戻る場合は、公共機関の許可したタイム・マシンに限られる。・・・・・・なんか、こうできたものだけ並べるとつまんないな。

アイザック・アシモフ『銀河帝国 ―ファウンデーション建設篇―』

 本だと、『ファウンデーション』の一章にあたる部分。

野田宏一郎『SF銀河帝国盛衰史』

 銀河帝国を扱った小説を紹介。ステープルドン『星の創造者』(スター・メイカー)、E・E・スミス『銀河パトロール』がその走りなのだそう。他に、ハミルトン『星界の王者』、野田氏自身が後に翻訳する『銀河市民』、ラインスター『最後の宇宙船』、K・ウッドカット『私は地球を代表する』(I Speak for Earth)などの紹介あり。『私は地球を代表する』は面白そうだなあ。邦訳されてるかな?

都筑道夫『変身』

 道に倒れていたその男は鏡を見て悲鳴をあげた。彼は、彼のもっとも憎い男の体に、脳を移植されたのだ!

 かわいそうな男の話ですが、途中からピカレスクになってしまいました。面白そうな設定だっただけに、なんだか残念。

星新一『夜の流れ』

 写真家の青年は夜道を山の頂上へ向けて歩いていた。すると、突然、女の啜り泣きが聞こえてくるではないか。

 なかなか面白いけれど、怪談話はリアリティに欠けているので、僕にはけっこうぼんやりした印象になってしまうんですよねー。基本的に、怪談話には点が辛いです。

佐野洋『三本目の手』

 妻は私に赤ん坊に触らせないようにするのだ。私は、なんとなくそれを不安に思う。そして、真実は訪れた・・・・・・。

 うーん、現代の感覚からすると、作者の題材選びに不快な感じがします。

平井和正『虎は目覚める』

 さびれた地球では、暴力的人間の断種のために、人々は羊の群れのようにおとなしくなっていた。恋人サチに愛に地球に戻ったロケット・マンの「ぼく」は、その地球人を殺しまわっている「虎」の存在を耳にする。

 いつものバイオレンスです。虎の正体であるとか、展開するドラマが楽しかった。ただ、暴力のない世界っていうのはいいと思うけどね。でも、これは机上の空論ですね。

光瀬龍『氷霧2015』

 猛烈な嵐の中、木星の調査隊のドームの中では、食料をめぐって血で血を洗う争いが行われていた・・・・・・。

 うーん、最初の展開から、次の展開へつながる必然性がないなあ、と思って読んでいました。結局、序盤、中盤、オチへといたる関係が、バラバラなので、感動にいたるまでの道程が作られていない。

手塚治虫『SFファンシーフリー』

 第一話ゼンソクの男。ゼンソクの男のもとに、未来からある男がやってきた。彼は子孫たちの会議に引っ張り出され、過去へ戻って、先祖にゼンソクの薬をのませれば、みんなのゼンソクがなおることを聞かされる。

 ハインラインの『時の門』に対抗したのか、タイム・パラドックスものです。なかなかよかった。

さいえんす・とぴっくす

 人工牛乳できあがる(英)うーん、見かけませんねー。必要性がないもんなあ。

日下実男『海洋物語』

 1.海の誕生。

草下英明『スペース・ファンサイクロペディア⑱ゆがんだ空間』

 おお、けっこう、面白い。密度の高い空間と、低い空間という概念が楽しいです。

斉藤守弘『サイエンス・ノンフィクション〔15〕奇病バラエテイ』

 うーん、人の病気を興味本位で見るというのは、やっぱり罪悪感がともなうなあ。いい気持ちでは読めません。人面そうや、双子の片方のからだから、片方の体を摘出と言う話は両方、ブラック・ジャックでやってました。

北杜夫『うつろの中』

 『童女』『うつろの中』の二篇。赤頭巾、竹取物語の二篇をSFとして解釈した作品。ちょっぴり面白い。

高橋泰邦『海星エレホン』

 塩水の充満した発射寸前の宇宙船内・・・・・・そこで静かに、乗員たちは心の耳をかたむけた―――長官の語りかける悲しいエピソードに・・・・・・。

 うーん、なんか微妙。

福島正美『ゴースト・ムーン』

 捨てられた女に執着する宇宙飛行士サカキ。宇宙空間で、彼が見たものは・・・・・・。

 うーん、あれだけ激しいことを同人誌に対して吐き捨てた割には、作品はたいしたことはない。怪談SF起源論をとなえる福島さんらしい作品といやあ、そうだけど、最後がなぜこうなるのかが、いまいちわからん。

ストルガツキー兄弟『六本のマッチ』

 保安官は事件の真相が知りたかった。一科学者が自らの体を実験台にしたそのわけは・・・・・・。

 なかなか面白かった。ただ、共産主義的価値観で、作者が語るので、そこに感情移入できないのが、ソ連SFのネックです。政治的な隔絶って、やっぱり大きいなあ。ニュートリノ針療法っていう語感が、なんか面白い。

ロバート・A・ハインライン『時の門 第二部完結篇』

 面白かった。二号にわけたので、ちょっと間延びしてしまったのが、☆評価になれなかった理由です。できれば、一気に読みたかった。後半に出てくる王国が、僕的にはちょっと興ざめしてしまうんですが、ラストの方の主人公の「鶏が先か、卵が先か」に悩む不安定な心情がよかったです。

 総評:日本人特集でしたが、そんなに傑作はなかったのが残念ですね。小松さんも、眉村さんも掲載されていないし、予告にあった倉橋由美子の作品がなかったのも残念至極。ベストは『時の門』。
 次号と次々号は図書館にありません。とばして読むしかないか・・・・・・。残念至極。
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