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SF読もうぜ(151) 『S-Fマガジン』1963年8月臨時増刊 特集!SFセクソロジー

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1963年8月臨時増刊


内藤正敏『四次元のヌード カメラ・ファンタジア』

 
なんかこわいよ。乳房が三つあって、そこから腕が伸びている・・・・・・。トラウマになるよ。

小松左京『三界の首枷』

 
透視能力を持った「僕」はすばらしい肢体をもった娘を妻にしたが・・・・・・。

 もしも奥さんが独身能力を持っていたら・・・・・・。やましいことをしている人はきをつけたほうがいいですよ。しかも、その子供はサトラレみたいな子だし。大変そうな家庭生活やなあ。

デーン・カーネル『砂漠の女』

 
白人に迫害され町を出たインディアンの血の入った青年が倒れたところ、美女が現われ・・・・・・。

 いいねー。僕も美女に囲まれたいです。

ロス・G・スミス『異次元の肌』

 
数学者のランドルフ教授は、彼の理想とする女性と、不思議な世界で出会う。

 誰しも理想の女性を見つけ・・・・・・というお話です。ラストの感じがよい。

×リチャード・レン『裸女が戦う』

 
婚約者キャロルは一生楽にクラスお金のために、女同士の格闘に申し込んだ。ジムはそれをやめさすべくプロモーターのもとへ、押しかけるのだが・・・・・・。

 なんかねえ・・・・・・。ダーティペアみたいな話かと思ったら、ぜんぜん違ったので。期待はずれですね。

ロバート・シェクリイ『夜の恐怖』

 
妻が毎夜見る夢。そこでは、彼が蛇となっているというのだが・・・・・・。

 まあ、たいした話ではないと思うのですが、蛇が肌の上をはいまわるというのがゾクゾクしたので。

ジョージ・トーマス『悪魔の火』

 
私立探偵のような仕事をしている「私」は魔術のエキスパートだった。彼のもとを訪れたハリウッド女優は、呪いによって殺されようとしているらしいのだが?

 次々と女性をものにしていく主人公。さらに、最後は寝ておいて相手を殴り、ハリウッドから追放するという脅迫をするという非道さ。まあ、でも、なかなか楽しかった。

豊田有恒『便利な恋人』

 
車の故障を見知らぬ爺さんにたのんだあと、車の調子が快適になった。なにせ、操作などしなくとも、思考のままに動いてくれるのだから。

 車に恋しちゃいました!というお話。筒井康隆の『お紺昇天』とどちらが先なのだろう。

斉藤守弘『美女・過去⇔未来』

 
古代からの女性観を歴史とともに見ている。貞操帯をめぐる旦那、妻、間男、貞操帯屋の駆け引きが面白い。

沢田好明『レッキ氏の未来セックス論』

 
パブロフの犬のように快感を与える前に鼻をなでていたら、鼻が性感帯になるのでは?という話や、性器を付け替える話など、バカバカしくていい。

石川喬司『アンゲーバ湖の謎』

 
本当にあった話と言うが、眉唾物。雪の中で一軒の家にたどりつき、窓からのぞきこむとそこではシロクマさんが、お酒を酌み交わしていましたとさ・・・・・・信じられるか!!

R・アドース『ハネムーンは無重量状態で』

 
宇宙ではいろんな体位でやれるぜ!とばかりに宇宙でのハネムーンに飛び出した新婚さんの話。

未来新聞

 
未来のできごとを新聞にして書き記している。石森章太郎氏の四コマが面白い。末尾に日本SFシリーズ誕生!という広告があって、1安部公房『電子の眼』2星新一『ようこそ宇宙さん』3佐野洋『一本の黒鉛』4都筑道夫『恐竜の舌に釘を打て』5小松左京『地には死滅を』6光瀬龍『墓標二九六三年』とあり。皆さんは元ネタいくつわかりますか?ちなみに、星新一氏は当年138歳で、いまだもって現役作家だそうです。

筒井康隆『ブルドッグ』

 
「私」は犬の精神思考を読み取ることができる。飼い犬の那智は下世話な口調で話しかけてくるのだった。

 大阪弁で喋るブルドッグ。奥さんをお世話してくれだの、なんだのさまざまな要求をしてきます。うちの犬も喋るときこんな口調になるんだろうか・・・・・・。そして黒い最後。筒井康隆らしいです。精神分析の用語も、けっこうでてくるのですが、普通の人にはわかるんでしょうかね?
 筒井康隆、ついに初登場!待ち焦がれてましたわ。

グレン・ブラウン『ルシア遊学』

 
研究一筋で男をかえりみなかったルシア。しかし、未来の女の子が彼女と精神を入れ替えて・・・・・・。

 未来では会うたびにセックスが普通だそうです。というわけで、現代に還ってくると、未来の女の子が周囲の男性をほとんど食っちゃってます。それでも、悪びれないあっけらかんとしたルシアの様子が爽快。面白かった。

加納一朗『無性植物』

 
アンドロイド警察官が破壊される事件があいついだ。ある日、容疑者を拘束したが、そこにいたのは三人の酔っ払いと二人の美女だった。

 性転換。男は女になりたい願望はあるし、女も逆の願望を持っている。そのへんの心理の揺れを中心にかいてくれればよかったのに。って、これは完全に個人的な趣味ですが。

半村良『ジンクス』

 
結婚を予定している仙田と比沙子。しかし、ある日、SF作家の男が現われ、仙田に呪いをかけると言い出した。

 うーん、なかなか面白かったけれど。密教を習得したSF作家という妙なやつがでてきますが。

ジョー・フライデイ『ワープする欲情』

 
宇宙飛行士であるカールは最近の妻の様子が気になっていた。

 原題は本当にこんな題なんでしょうか。内容はそんなに扇情的なものではなく、むしろロマンチックなラブ・ストーリーに近いものがあると思います。

高梨純一『宇宙から来たセックス・マニア』

 
ウサギを出産した婦人、宇宙人の種を宿した婦人、そして宇宙人にやられちゃった男の話、の三つ。たぶん、みんな欲求不満だったんだね。

光瀬龍『マグラ!』

 
東北で取材をしていた記者の村上は、イタコが呼び寄せた自分の祖母に「あの箱を海に棄てるな!」という不思議な警告を受ける。一方、海では不思議な魚が発見されていた・・・・・。

 マグラ・・・・・・。名前の由来はどこにも書いていませんが、どう考えてもマグロだろ。挿絵では灯台よりも遥かにでかい魚が上陸しようとしています。もうちょっと、ひねった姿にしてもいいと思うが。結局、やっぱり、放射能のせいでした。ゴジラの五番煎じくらいじゃないでしょうかね?ただ、これ、東宝映画らしいんですが。

 総評:もう少し、どぎつい描写があってもいいと思ったけど、まあ、時代的にしょうがないのかな。『S-Fマガジン』って上品な雑誌ですよねー。どうせなら、SF映画の美女を並べるとかやってほしかったなあ。ああ、でも確かそれと似たような本あったような。『マグラ!』はちょっと笑いました。
 筒井さん、初登場ということで、今後ますますSFM読むの楽しみになりました。

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