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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(33) 『S-Fマガジン』1961年6月号 ブラウン特集



1961年6月号


ジェイ・ウィリアムズ『てんとう虫作戦』

 国連地球外探検軍陸軍情報部長ハーバート・クーパーは、宇宙旅行を可能にしたインディアンの部族出身のシヌム氏の護衛を命ぜられる。折りしも、金星におけるナメクジ様の生命体の駆逐が行われている最中である。しかし、シヌム氏は自ら部屋を抜け出し、クーパーはその後を追うはめになる。

 面白いけど、未来の世界にまでロシアとアメリカ云々を持ち出すのは、なんか違うと思いますがね。未来予想というのは、もっと突拍子もないものを描いた方が、逆に説得力がでると思うのは僕だけでしょうか。

ヴァンス・アーンダール『広くてすてきな宇宙じゃないか』

 「ぼく」は街から街へ、遊びに飛び回っている。「ぼく」はそこでアドラーおじいさんの姿を見かける。

 題名に胸がきゅんとなります。最後の一行が、やっぱりじーんとくる感じ。『S-Fマガジン』の表紙を描いていた鶴田謙二氏が同題名を使って短篇漫画(『スピリット・オブ・ワンダー』の一挿話)を描いているので、読んでみたかったんですが、よかったです。ただ、惜しまれるのは短すぎる、という点。

フレドリック・ブラウン『すべて善きベム』

 タイプライターに向かって、小説のアイデアを考えていたエルモは、突然飼い犬が喋り出したのに驚いてしまう。それは、不時着した宇宙船の船員が、飼い犬の肉体を借りていたのだった・・・・・・。

 筒井康隆の『ブルドック』という話によく似ています。しかし、こっちの方が面白い気がする。

フレドリック・ブラウン『星ねずみ』

 オーベルブルガー教授の家に住み込んでいた一匹の鼠は大宇宙へ飛び出していった。「ミッキー・マウス」と名づけられた鼠くんは、教授の手によって作られたロケットで空へ舞い上がったのだ・・・・・・。

 最初読んだ時はほんとに笑いました。特に街中にミッキーが現れるところが秀逸です。ブラウンのユーモアSFは面白いなア。

フレドリック・ブラウン『エタオイン・シュルドゥル』

 新聞印刷用のライノタイプが、ある男に操作させたことによって、壊れてしまった。そいつは、勝手な文字を印字し始めて・・・・・・。

 なかなか面白いですね。もう少し、なぜこうなったのかの叙述があれば、楽しめたかもしれません。しかし、生きている機械の躍動感みたいなのが感じられていいです。

アイザック・アシモフ『スーパー元素』

 ヘリウムについて解説しておられる。

S・Fらいぶらりい

 ポール・アンダースン『敵の星』の紹介。

日下実男『地球物語(17)』

 引き続き、失われた大陸について。

さいえんす・とぴっくす

 宇宙航法はコンピュータがやるべきで、人間がやれば高速で進むと障害物にあたる、とソ連の学者がいっているようで、まったく、その通りだと思います。

結城昌治『秋になったらもう一度』

 記憶喪失のため、電気ショック療法をうけにきていた隆郎が、ある日、目ざめるとまた一年間の記憶を失くしていた。いったい、なにが・・・・・・?

 なかなか面白い。これはSFか?と疑いつつ読んでいたが、最後SFになってほっとした。

都筑道夫『イメージ冷凍業』

 過保護な未来世界で、自殺することを夢見る主人公。彼のもとにイメージを固め、冷凍保存する機械を友人が持ち込んでくるのだが・・・・・・。

 なかなか面白いが、イメージを冷凍することに説得力があまりないかな。オチも予想はできたけど。主人公のキャラクタがよかったです。

岡俊雄『SF映画展望17 一九四〇年代のファンタジイ映画その3』

 『天国への階段』という映画が面白そう。

レオナード・ウォルフ『ありふれたロボットの唄』

 SF詩。少しロボットのイメージが古すぎて辛い。

チャド・オリヴァー&チャールズ・ボーモント『われはクロード』

 先号に続いて、SF的シチュエーションを網羅したパロディ作品。ミュータントと機械の反乱によって、地球から宇宙船で逃亡したクロード氏は、宇宙船から放り出され、地球の反対側の惑星にたどりつき・・・・・・。

 ミュータント、宇宙、スペオペなどで遊んでいます。にやにやしながら読みました。

R・M・ウィリアムズ『挑戦』

 ライレイン三世号である惑星にたどり着いたマックアードルたちだったが、そこの住民「あなご族」は彼らにまったく無関心だった。なぜなら、彼らは未来を見通す機械を所持しているのだ・・・・・・。

 最初のシチュエーションが面白かった。後半にいくに従って、なんだか強引になってきた印象がします。

ポール・アンダースン『過去へ来た男』

 奇妙な服を着た奇妙な言葉を話すその男はよその時代のアメリカという国からやってきたという・・・・・・アンダースンのタイム・トラヴェル奇談!

 どこかで読んだなあと思ったらハヤカワ文庫SFの『冷たい方程式』に収録されていました。語り口がなんだか気になって、読めないんですよねえ、こういう田舎言葉って。でも、まあ、なかなか面白かった。

宮坂修吉『二十一世紀の夢 蜂の巣(ハニコウム)シティ』

 未来の世界の住人は配偶者とユニットと呼ばれるものに住んでいる。ユニットは移動することができて、海岸やアメリカなどの発達した国へ、自由に旅ができる。うーん、こういった機械化都市のイメージって大好きなんですよねえ。
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