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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(75) 『S-Fマガジン』1961年10月号

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青木雨彦『二十一世紀の夢 捜査一課長の憂鬱』

 犯罪がコンピュータによって予知される未来。そんな時代の捜査一課長の憂鬱。

イワン・エフレーモフ『宇宙翔けるもの』

  果て無き宇宙空間で二隻の宇宙船がめぐりあった。はたしてどんな人類が乗っているのだろうか?

 技術的な問題を延々語る前半で眠くなったけど、後半のファースト・コンタクトはなかなか楽しかった。

斉藤守弘『惑星X人のスタイルは?』

 進化の過程はどこでも同じようなものだから、宇宙人も同じような身体をしているという。そんな、面白くもないことを今さら言われてもねえ。

トーマス・M・ミーハン『風の心』

 子どもの心を与えられたロボット・バーニイの夢を莫大な資金をかけて叶えることで、大当りをとったテレビ番組のプロデューサー。しかし、その資金が足りなくなったとき・・・・・・。

 発想は面白いのですが、なんだか不快な印象がぬぐえない。カットのところに「キャロル・エムシュウィラー」って書いてあって、「あれ?作風がなんか違うな」と思ったら案の定誤植だった。それも評価が辛い原因なのかも。

クリーヴ・カートミル『ナンバー9』

 実験体のナンバー9という兎が、メガネをかけて机の上で本を読んでいる。それを見たジャクソン・アンドリューズは・・・・・・。

 不思議の国のアリスを意識した物語。アリスらしき少女もちらっとでてきますが、本編とはあまり関係ありません。信じられないものを見たときの人々の反応と状況認識のしかたが、ユニークで好き。

P・スカイラー・ミラー『存在の環』

 考古学者の父がタイムマシンで未来から持ち帰ったのは、いつの時代にも見られないほど高度に発達したナイフだった。

 タイム・パラドックスの物語。古典なのだそうですが、今ではもう使い尽くされた感のあるアイデアで、現代の読者には辛いかも。

草下英明『スペース・ファンサイクロペディア②天動説リバイバル論』

 『疑似科学大系』という本からの引用で、天動説や宇宙のあり方に対する様々な考えを教えてくれる。やっぱり、亀の上に象がいてそれが世界を支えているという宇宙がステキ。

デイヴィット・グリンネル『生きているぼろ』

 ずぼらなアパートの管理人が放っておいたぼろ。そこに越してきた人物はそのために死に至ることに・・・・・・。

 うーん、微妙。B級怪奇ホラーみたい。

岡俊雄『SF映画展望21 1950年代のSF映画 その4』

 『フラバァ』はリメイクされてたなあ。野球ファンタジイの『春の珍事』と『くたばれ!ヤンキース』は見てみたい。アンチ巨人だし、感情移入できそう。

日下実男『地球物語(21)』

 地球の改造について、ソ連が川をいじったとか、アメリカのテネシーの開発とかをあげている。これがゆくゆくはテラ・フォーミングという技術につながっていくんですかねえ。

さいえんす・とぴっくす

 ガンの新薬のニュースがあるのですが、早く治療薬が見つかるといいですね。だいたいにおいて、SFの予想では今世紀中にはガンは撲滅されている予定なんで。

S・Fらいぶらりい

 ジュブナイルの紹介。ベン・ボヴァの『星の征服者』の紹介。

アルジス・バドリス『無頼の月』連載第三回

 うわあ、すごい人間関係。そして、メロドラマ。SF的なことよりも、そっちに眼がいってしまって、肝心なとこがかすんじゃった。次回が最終回でした。

デーモン・ナイト『人類供応法』

 宇宙より人三豚七のカナーマ人がやってきた。彼らは食糧問題を解決し、戦争を撲滅してしまった。いたれりつくせりのサービスに、ある人物は疑問を抱き、彼らの言語を研究しだすのだが・・・・・・。

 面白いなあ。この人、名前の持つ響きがいいですよね。名前どおりにちょっとブラックなラスト。そこが、またいい味。

アイザック・アシモフ『静粛に!静粛に!―それでもエントロピーは増えてゆく―』

 エントロピーのなんたるかは理解できたのですが、後半はさっぱり。

シオドア・スタージョン『少数報告』

 ファルー・エングルハート博士は、帰還しなかった宇宙船の発見のため、宇宙艇を発進させた。ところが、彼は地球に帰還したのち、目して語らず、彼が何を体験したのかは意外な形でもたらされる。

 前半ちょっと退屈気味だったのですが、途中包囲されてからは、ドキドキしながら読みました。あ~、少数報告ってそういう意味だったのね~と納得できてよかった。これも原題は『マイノリティ・リポート』なのかな?しかし、最後の一行には驚きましたが。

C・ブライアン・ケリイ『トンネル』

 恋人セレサを殺された「わたし」は「友人」に復讐を誓う。

 えー、人間にとってお馴染みのあの昆虫が主人公。夜中に見かけるカサカサと動くあいつです。北杜夫の『高みの見物』を思い出しました。

眉村卓『下級アイデアマン』

 最低のアイデアマンであるサグCの階級の「ぼく」。彼は水星にとばされてしまう。そこで、起こったロボットの反乱。「ぼく」は頭を振り絞って解決策を考え出そうとする・・・・・・。

 いい。この優柔不断かげんがぼくの精神にはぴったりします。後半加速していくストーリーもいいです。第二席なんですが、はっきりいって第一席より面白いぞ。

 総評:眉村卓さんという後に名を成す人が、星新一以来二人目ででてきました。ちなみに彼をライバル視していた筒井さんはまだ名前が『ヌル』の紹介ででてきた程度。次は豊田有恒さんか。
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