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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ(80) 『S-Fマガジン』1962年2月号 二周年記念特大号

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岡俊雄『二十一世紀の夢 音楽愛好家の手記・2012年―宇宙オペラ『アニアラ』―』

 音楽の再生方法が磁気テープだというのが、今の時代の僕からしてみれば少しおかしいかな。さすがに、CDのようなものや、アイポッドのようなものは想像できませんものね。四十年後の未来の音楽再生機は、きっと僕の予想を超えるものになっているだろうなあ。

サイエンス・スクリーン

 『妖星ゴラス』ちょっと見てみたい。

アルフレッド・コッペル『夏は終りぬ』

 世界の終末の日が来る。わずかに札をもった人間だけがシェルターに入ることができる。主人公は昔、捨てた自分の二人の娘と妻のことを考えている。そこへ、二枚の札を現在の妻が、殺人を犯して奪ってきた・・・・・・・。

 面白いけど、ケイの立場を考えると、ものすごくひどい話だ。この主人公には感情移入できないなあ。

アミーリア・R・ロング『オメガ』

 催眠術をかけることによって、物質直線と時間円を交差させ、被験者に時間移動の経験を与えることに成功した博士。死をも厭わない被験者を未来へタイムスリップさせた結果・・・・・・。

 ラストがなんだか詩的な余韻があって、いい感じ。時間旅行の理論はてんでわかりませんが、こういうのはけっこう好き。

ルイス・パジェット『トオンキイ』

 ある時間旅行者の職人が作り上げた電蓄によく似た機械。それは、さる一般家庭に渡り・・・・・・。

 やっぱり、ホラー的なラストがいいし、日常生活に突如現れる未来の機械っていう設定がなんだか好きなので、けっこうよかった。

レイ・ブラッドベリ『われは虚空の王たらん』

 ぼくらは待っているんだ。空と同じ色の宇宙航空局のヘリカーがぼくを迎えに来る日を。ブラッドベリの送る感動作。

 じーん。じーんと来ましたぜ、ブラッドベリ様。少年のまっすぐな心情をこれまたストレートに一人称で描いた素晴らしい作品。訳もいいと思います。

アーサー・C・クラーク『時を掃く』

 ジョージ・タケオ・ピケットはマイクに自分の声を吹き込んでいた。しかし、そんなことをして、なんになるというのだ。コンピュータの故障で、我々は彗星の最中で野垂れ死にする運命じゃないか・・・・・・。

 なぜ、ミドルネームに日本人の名前が入っているのか、最初疑問に思ったけど、そういうことかー。これは、すごく日本人として誇らしいぞ。中国からの伝来品だけど。必死に計算している人々の姿を想像すると、なんだかバカバカしくてステキ。

ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン『ガルチ渓谷の対決』

 凶悪無類の爬虫類インディアン、緑皮族に襲われた、ほんもの顔負けの西部の町は、てんやわんやの大騒動!

 ホーカ・シリーズ。本ではこれが第一話でした。なんか、挿絵がちょっと不気味だ。『虚構船団』の鼬族をなんだか思い出しました。

草下英明『スペース・ファンサイクロペディア⑥ 宇宙を呑む』

 ある高校生の『ミソ汁の天文学』という論文や、『コーヒー茶碗効果』などについて書かれている。

斉藤守弘『サイエンス・ノンフィクション(3) 絶滅の時は今にも来る?』

 宗教や伝説の破滅テーマを解説。

日下実男『地球物語(25)』

 星の生と死について。

さいえんす・とぴっくす

 エア・カー登場って書いてあるけど、今、そんなものはあるのだろうか?あったら、ほしい。

アナトリイ・ドニェプロフ『むらさきの女』

 ある科学雑誌に載っている写真は、妻と瓜二つだった。その写真とは、宇宙の彼方から飛来した電波を解析して複製したもの。解剖してみると、内臓が反対向きについていた。これは、反物質世界の存在証拠ではないだろうか?

 なかなか面白かった。でも、やっぱり、なんだか青臭くて、照れくさい。

石森章太郎『第19回世界空想科学小説大会リポート シーコン・コンニチワ』

 漫画家石ノ森章太郎の若かりし頃の世界一周旅行の途中でのできごと、らしい。ハインラインと喋ったり、生のアンダースンやフレデリック・ポールや、E・E・スミスやバドリスやシルバーヴァーグを見たらしい。そういえば、今年は日本でやるそうですねえ。

レイモンド・F・ジョーンズ『よろず修理します』

 「ピート」の修理屋によった後、一瞬、車に衝撃が走り、彼らは別世界に迷い込んでしまう。彼らが見たのは瓦礫と化したロサンゼルスの光景だった・・・・・・。

 そこそこ楽しめた。けれど、そんなにたいした作品でもないなあと思った。

アイザック・アシモフ『惑星のお献立て』

 科学エッセイ。地球の内部について解説しておられる。

『大移住時代来るか』

 他星への移住の可能性を検討。

ジョン・P・マクナイト『小鳥の歌声』

 小鳥たちは話しかけて来る。幼いリンはそれを説明してくれる。

 いい話かと思いきや、ホラーに。

ロバート・A・ハインライン『大当りの年』

 統計学に魅せられた男ポティファー・ブリーンは、その統計の数字から、人類がレミングであることに気づいてしまう。

 最初にヒロインが路上でストリップを始め、警官に逮捕されそうになったところを服装倒錯者に救われるという冒頭。うーん、素晴らしい出だし。最後の終末が訪れるあたりの静かな生活がいいですね。

 総評:今号はブラッドベリが断然よかった。そういえば、ブラッドベリは数冊積読になっている。読まねば。ようやく、三年目に突入。「特集・地球は蒸発する」だったのですが、既読があって残念。来号は『世界最終戦争!』なので、終末ものが好きな僕としては期待大。
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