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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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SF読もうぜ⑦『SFマガジン』1960年7月号 ロボット小説特集



1960年7月号


 初めての他社の広告。ジョージ・パル監督の映画『タイム・マシン』。

アイザック・アシモフ『AL76号失踪す』

 月世界向けの砕解器専用のロボットが、こともあろうに町外れの森の中にさ迷いこんでしまった。さあ人間どもは大騒動!!

 有名な作品ですね。オチが好きです。

C・エムシュウィラー『ベビイ』

 戦争の結果、ただ一人取り残された「ベビイ」は過保護なロボット達によって育てられていた。しかし、ベビイは胸のうちの衝動につき動かされて、無人の街から旅に出る。

 無人のオートメーション化された街というシチュエーションがいいです。しかも、ボーイ・ミーツ・ガールの物語なのですが、このラストは出口がなくてちょっと・・・・・・。

レイ・ブラッドベリ『たそがれの浜』

 海岸に住み、チコとトムの二人は海岸に流れ着いた人魚を発見する。

 ブラッドベリらしい、抒情性あふれた作品。

岡俊雄『SF映画展望⑥「タイムマシン」と地底探検 ウエルズとヴェルヌのSF映画・補』

 「タイムマシン」と「地底探検」の紹介。

高梨純一『重力場推進 ☆未来の宇宙飛行原理☆』

 重力場推進を使用した乗り物について解説。

ロバート・ブロック『人間なみ』

 ブラッサーマン教授の開発したロボット・ジュニアーを悪人デュークが奪い取り、悪人教育をほどこした。幼児に近かったジュニアーは彼の教育を受け、青年へと成長していくが・・・・・・。

 まあ、教育とか、しつけっていうのはプログラムと同じみたいなものですからね(人間の場合、そう簡単にいくものではありませんが)。悪いことを教えれば、悪く育つ、と。でも、最後のシーンはちょっと怖いぞ。『プルートウ』というマンガを連想してしまう。

S・Fらいぶらりい

 アルギス・バドリス『何者?』(Who?)の紹介。

日下実男『地球物語(6)』

 生命の発生から恐竜誕生までの流れを解説。

さいえんす・とぴっくす

 アメリカとソ連の宇宙競争対決がよくわかる。

ヴァン・ヴォグト『遥かなるケンタウルス』

 長期睡眠にはいり、宇宙を旅して、アルファ・ケンタウリを目指していた一行だったが、彼等が眠りに入っている間に、ケンタウリはすでに人類によって、植民地化されていた。

 かわいそうな主人公一行。乗組員の一人は死亡し、一人は発狂。しかも、目的地には別の人間たちがすでに植民地化していた。踏んだり蹴ったりの展開に少し救われるラスト。でも、なんだか、悲しい。

R・E・バンクス『共鳴音波』

 アルファ・ケンタウリの第二惑星セテムの人々が地球にやってきた。ところが、彼らの美しい声は、特定の周波に共鳴してしまう。おかげで、市長が踊り出したり、硝子が割れたり、橋がぶっ壊れたり、てんやわんやの騒動に・・・・・・。

 うーん、前の『電送人間』といい、この話といい、面白いなあ、この作者。こういう変な話が大好きです。でも、ちょっとナショナリズムが出すぎてますね。自由主義国家と共産主義国家を色分けするところが、ちょっと低次元かな、と思いました。

アイザック・アシモフ『とほうもない思いつき』

 なぜ、人が新しいことを思いつくのか?独創性に富む考えというのを、ダーウィンの進化論発見を例に挙げている。面白いです。

ハーバート・ゴールドストーン『巨匠』

 マエストロは使用人ロボットにピアノを教えてほしいと頼まれ、彼は機械に音楽がわかるわけがないと一度は考えるのだが・・・・・・。

 一番最後の行に芸術というものがなんたるものかという考えが表れていて、しみじみとしてしまいました。

H・カットナー&C・L・ムーア『人造死刑吏』

 ロボットが人類を支配する時代。ダナーは死刑執行ロボットの追跡から逃れることからできるとハルツから保証され、殺人を犯してしまうのだが・・・・・・。

 夫婦合作。カットナーは十七のペン・ネームを使って作品を書いていたそうで、すごい人ですねー。ロボットが良心の代わりを務めるという設定が面白い。宗教をなくした現今、上位自我は弱くなり、人身の荒廃は続いてますからね(神のために犯罪や戦争を犯す人々もいますが)。これは現代にこそ必要なロボットなのかも・・・・・・。本当に大事なのは教育で上位自我を作りだすことでしょうが、父権がなくなり、体罰が否定される今、罪の意識や罰に対する恐怖をこれから成長する子供たち、そして、僕ら若い世代に植えつけるのはムリなのではないでしょうか。

草下英明『宇宙人をさがせ』

 宇宙人への伝達方法や、宇宙人の伝達を捕らえる方法について考察する。火星の表面に幾何学模様があると発見した人の多いこと!それでも、まだ、例の顔の発見は書かれていませんね。地球からの伝達方法としては林を刈り込んでピタゴラスの定理を図形で表すというのがステキ。

SF事典(5)

 スペース・オペラ(宇宙西部劇。皮肉をこめてこう呼ばれていた)、観測窓(宇宙船の窓は強烈な光のため、テレビスクリーンで窓から見るのと同じ画像を映したりするようになっている。ヴィジ・スクリーンなどとも言う)、ミュータント(突然変異体。最近では、人間が突然変異を起こした、スーパーマンや異常なIQ値を持ったものなどをいう)。
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