三日連続でSFマンガ。今日はいしいひさいちの『地底人 暗黒魔団の陰謀』。
地上でおろかな人間どもが金日成主席が死んだハミダとか生きてたハミダとかなんとか大騒ぎしていたそのころ。その足元の地底の奥深く暗黒の闇のその中に恐るべく侵略者の一団がひそかに虎視眈々と地表征服の機をうかがっていたのである。これこそ!あの!あの!地底人である!!(一話より)『がんばれ!!タブチくん!』『となりの山田くん』等で有名ないしいひさいちのSFギャグ・パロディマンガ。
地表を目指す恐ろしい地底人たち。彼らの出現を予知するのは不可能だ!なぜなら、いつまでたっても
地上に現れないから。地上にたどりつく道をしらない。地上に達する坂道をひ弱すぎて登れない。地上に達しようと道を掘り進めるが、
土を捨てる場所を計画してないために埋もれて侵攻中止。まあ、別の意味で恐ろしいといえるかもしれない。
SFは時として
風刺のためのツールになります。この作品も底に潜むのは軍事政権だとか、
全体主義に対しての風刺だと思います。だから、第一話の冒頭で北朝鮮ネタがでてきたのではないかと。
併録の「さがし屋ケンちゃん」は怪獣もののパロディ、「SF CREAM SHOW」はSF全般を幅広くカバーしたパロディになっており、SFファンにはたまりません。
「海の
叔父」(海の王子)、「戦国
機動隊」(戦国自衛隊)、「日本
没落」(日本沈没)など、元ネタがわかれば楽しいこと間違いなし。
お気に入りは「
転校生~ワシがおのれでおのれがワシ」。喧嘩で階段から転げ落ちた
右翼の男と左翼の男が入れ替わってしまうという楽しいお話。オチには強烈な皮肉を感じます。
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