突然、警視総監に呼びだされたニューヨーク・シティの刑事ベイリは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件の担当にされた。しかも、指定されたパートナーは、ロボットのR・ダニールだった。ベイリはさっそく真相究明にのりだすが、巨大な鋼鉄都市と化したニューヨークには、かつての地球移民の子孫であり現在の支配者である宇宙人たちへの反感、人間から職を奪ったロボットへの憎悪が渦まいていたのだ・・・・・・傑作SFミステリ!
なかなか面白かった。
前半から雰囲気がすごーく重いし、暗いんですけど。増えすぎた人口でシティは満杯状態。人びとは階級にわけられ、階級が上だと配給食糧の質や水の使える量が増える。日光の当たらない巨大都市の中での生活は昨日の『恋人たち』同様に、かなりきつそうだ・・・・・・。さらに宇宙移民の子孫たちには汚物扱いされ、ロボットには職を奪われる・・・・・・。くらーい社会です。
主人公のベイリもロボットに反感を持った警察官。家庭の問題もあるし、職場でもロボットと行動を共にすることで劣等感を感じ、ストレスが溜まります。うーむ。しかし、徐々にサスペンスな感じに変わっていき、その静から動へ移っていく感じがとてもよかったです。
SFミステリというわけで、ある特殊設定のもとで犯罪を暴かなければならない、という面白さがあります。脳波検査とかロボット法とかの設定の下でいかに殺人を犯したか?というゲーム性がさらに高まって面白いですねー。日本では山口雅也の作品が僕は好きです。『生ける屍の死』や『日本殺人事件』とか、あの不思議な世界観が好きでした。
ファウンデーションと繋がる世界観ということですが、あまり連関性はなかったのがちょっと期待はずれでした。まあ、それはこちらの勝手な期待なので・・・・・・。最後の方はいつものアシモフのロボットものになっていくのですが、ラストシーンはこうなるとわかっていてもちょっと感動してしまいました。
アシモフの他作品の感想
『神々自身』
『火星人の方法』
『サリーはわが恋人』
『鋼鉄都市』
『はだかの太陽』
『永遠の終り』
『ファウンデーション』
『ファウンデーション対帝国』
『第二ファウンデーション』
『ファウンデーションの彼方へ』
『ファウンデーションと地球』PR
COMMENT
ファウンデーションと繋がるのは
ご教授ありがとうございます
「究極超人あ~る」でR田中一郎なのはそのせいだったんですか!気づきもせずに読んでました。SF作品を読めば読むほど、そういう気づかない小ネタも気づけるようになりますね。そういったSF玄人になれるようたくさんの作品を楽しもうと思います。