凶悪無比の略奪行為を生業とし、“スターウルフ”と恐れられ忌み嫌われているヴァルナ人。地球人を両親に持ちながら惑星ヴァルナに生まれたモーガン・ケインは、スターウルフの一員として悪徳の限りを尽していた。だが、ある時ふとした仲間割れから相手を殺して一味を脱走、外人部隊に身を投じる。以来あくまで一隊員として身元を隠し、追手を逃れてきたのだが・・・・・・無類の面白さで読者を魅了するスペースオペラの金字塔!
面白かった。
掛け値なしのエンターテイメント。楽しい、楽しい、楽しいの連続です。まず世界設定がいいですね。人類は様々な星に散らばっていて、独自の進化を見せています。重力の強い星ヴァルナで生まれたヴァルナ人は力のやたら強く、ワープ時の負荷にも耐えられるようにできていて最強。地球人でありながらヴァルナで生まれ育ったケイン。スーパーマンみたいに活躍します。
初めの逃げ出す場面で宇宙塵の中に突っ込んで隠れるところから、魅せられっぱなしです。外人部隊に入隊して着いた星で大暴れ。捕まり、今度はSF小道具を使って脱出。別の星ではスパイ戦。読心能力を持つ動物との駆け引きなど、スリル盛りだくさん。さらには超兵器の存在、スターウルフとの追いかけっこ、超科学の飛行船・・・・・・など息つく暇もなく、あっという間の240頁。
野田昌宏さんの訳は、前は苦手だったのですが、最近、好きになってきました。時々、大時代な言い方になったりするのが気になっていたのですが、それも含めて原作の味を伝えていただいているのでしょうか。特に「紫電が走った」などの描写がカッコイイ。
ハヤカワSF文庫の記念すべき一番目の作品ということで、たしかに先頭を切るのにふさわしい素晴らしい作品。楽しめました。
ところで関係ないですが、『バゴンボの嗅ぎタバコ入れ』買ったら千円以上もしました。本の値段って、上がってますよねえ。もうちょっと安くして・・・・・・。
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