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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

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カテゴリー「SF文献」の記事一覧

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ETV特集『21世紀を夢見た日々~日本SFの50年~』

 SFファンの皆さん、見ましたか?
 小松左京さんと筒井康隆さんが並んでいるのを見て感動してしまったのは僕だけでしょうか。

 現在のオタク文化の発生源はSF第一世代の活動にあったという視点から60年代から70年代のSF作家クラブの活動を見るというのが番組コンセプトだったように受取りました。その通りなんだけど、その通りでもないような・・・・・・というあまり説明できない感じなのですが、おわかりになるでしょうか。

 当時のSFを読むときに有難いのはある程度SF作家の方々の状況を完結にまとめてくれたことでしょうか。例えば小松左京の『新趣向』という作品には鉄腕アトムやアンギラスや鉄人28号が登場し、「実写とアニメを合成する」ことなどが登場します。この作品は明らかにSFがビジュアル面に興味を持っていることを象徴している作品なんですね(『本邦東西朝縁起絵巻』などに収録)。

 SFは漫画やアニメーションなどのサブカルチャーと共に勃興してきたジャンル、そして自身がサブカルチャー、マイナーな存在だったために、SF作家は身を寄せ合うようにして団結していたのですね。眉村卓さんの例えは実に見事でしたねえ。福島正実氏の記録した貴重なフィルムなど、いいものを見せていただきました。

 ただ、後半にかけての「第一線で活躍している皆さん」の人選は正直僕としては首をひねるものだったのですが・・・・・・。まあ、SFの「浸透と拡散」現象をこれも表そうとしていたのでしょうか。1970年代からガンダムを飛び越していきなり現在につなげてしまったので後半は番組のつくりとしてはグダグダ感がものすごく漂っていたように感じました。ヤマトもパーソナリティの人が強調するほど豊田さんはそんなに関わっていないと言ってたと思いますが・・・・・・。まあ、栗山千明が綺麗だったのでよしとするか(←えらそう)。

 原子力発電所のエピソードにはまたもや笑ってしまいました。座談会の発言は『オモロ大放言』に入っているものでしたね。実に楽しそうにお話してらっしゃいました。あと、筒井さんは万博をかなり痛烈に皮肉っている作品も書いていたような気がしますが・・・・・・。小松さんは『SEXPO’69』という作品があって「万国衛生博覧会」を開くというすさまじいお話が・・・・・・(ちなみに実際にSEXPOというのは存在するらしいです)。

 何はともあれ楽しいものを見させていただきました。もっともっとこういうのが見たいです。よし、今からNHKに投書しよう。
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SF読もうぜ(262) 早川書房編集部編『日本SF・幼年期の終り―『世界SF全集』月報より―』

img216.jpg 
1968年10月に刊行が開始された『世界SF全集』(全35巻)。その月報に掲載された星新一、手塚治虫、佐野洋、谷川俊太郎などの珠玉のエッセイが、日本にSFが根づきだした時代を見事に描き出す。
1968年10月、「世界初の画期的企画」と銘打たれた『世界SF全集――21世紀の文学』がスタートした。『ハックスリイ/オーウェル』『レム』『ヴォクト』と次々に刊行されていったこの『世界SF全集』に、毎月付録としてはさみこまれた月報には、星新一、筒井康隆、眉村卓などのSF作家はもちろんのこと、三木卓、谷川俊太郎(詩人)、手塚治虫、松本零士、石森章太郎(漫画家)、都筑道夫、生島治郎、佐野洋(ミステリ作家)など、そうそうたるメンバーがエッセイをよせている。それらのエッセイには、それぞれの著者のSFへの熱い想いが凝縮しており、日本にSFがようやく根づきだしたこの時代――1970年前後のSF界の状況をみごとに映しだしている。世界SF大会が日本で開かれる2007年に、日本SFの原点ともいえるこの時代を映し出す鏡として、全105篇のなかから34篇を厳選して収録する。(ハヤカワ・オンラインより)

SF読もうぜ(260) 豊田有恒『あなたもSF作家になれるわけではない』

 SMとの混同にもめげずSFを志した〈苦闘の時代〉から、苦心の原稿をバッサリ切られてお礼を言ってしまった〈未曾有の時代〉、「鉄腕アトム」のシナリオに参加した〈映像の時代〉、「破壊された男」に衝撃を受けた〈翻訳の時代〉を経て、縦横無尽の〈創作の時代〉へ。日本SFの揺籃期から興隆期を自ら体験した著者が複眼多岐の視点から綴るインサイド・エッセイ。SFもまた、その個体発生は系統発生を繰り返す!?

SF読もうぜ(237) 最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』

img180.jpg 「憧れて小説家になったのではない。それ以外、道は残されてなかった」
 製薬会社の御曹司、終生つきまとう「負の遺産」、創作の舞台裏、生き残りをかけた戦い・・・・・・。知られざる生涯をたどる、ノンフィクション大作

SF読もうぜ(210) 笠井潔編著『SFとは何か』

 ●SF論の枠組みを解体し、文学の流れの中に捉え直す●
 SF(サイエンス・フィクション)は、あらゆるジャンルに拡大し、一つの文学ジャンル/ムーブメントといった範疇を超えつつある。このような時代状況を受けて、従来の分類・体系化といった方法を廃し、SFをまず一つの小説としてみつめ直す。さらにその発生/展開史に立ち返り、セルバンテスに始まる近代文学の多様な成果の中に、SFの試みを位置づける斬新な試み。

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