引退した元情報部員の目覚めたその村には名前がなかった。そればかりか、村人たちはひとり残らず番号で呼ばれている。本屋の主人は98号、掃除夫は189号、ウェイトレスは127号、そして彼自身はなんと6号にされていた!なぜこんな村に彼はいるのか?この村の正体は、またその目的はなにか・・・・・・?渦まく疑惑の中で必死の逃亡をはかる彼―――6号。しかし、その努力は錯綜する虚実の迷路にむなしく消え、ついには彼自身さえ村の重要人物になってしまうのだった!異色のテレビ映画『プリズナー№6』に材をとり、鬼才ディッシュが悪夢的な世界をサスペンス・フルに描く。