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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

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人生に食い込んだ本たち(その二)

 今回はいい話特集?

『日本文学全集 武者小路実篤集』

 赤い箱の新潮日本文学全集です。とにかく山谷五兵衛ものが好きだったんです。特に「馬鹿一」です。これはいい話です。「真理先生」もよかったなあ。この頃は白樺派に妙に感化されていました。心がきれいだったんだねえ。高校生の頃です。志賀直哉の「自転車」という短篇も最近読み直したのですが、よかったです。

『日本文学全集 里見とん 宇野浩二集』

 というわけでこちらも同じく赤い箱でおなじみの新潮日本文学全集。宇野浩二のほうはまったく読んでいません。好きなのは里見とんです。読んだのはこれ一冊ですが、「晩い初恋」「夏絵」、このお話はいい話のベスト・オブ・ベストですぜ!「美事な醜聞」っていう短篇も素晴らしいんですよー。図書館に全集が入っているのでいつか読む予定です。ただ「荒れの日」というのは、時代が隔たりすぎて、少し笑ってしまいました。これは志賀直哉の作品を読むときもいつも思うことなんですけどね。

壷井栄『二十四の瞳』

 小学生のときの愛読書。泣けます。これも新潮日本文学全集で読んだので、最近、日本文学を読むときに、旧字体の小説がままあるのですいすい読めて、ああこのとき読んでいてよかったなあと思います。同じ時期に太宰も読んだのですが、はっきり言って「走れメロス」しかわかんなかった。ただ、冒頭しか読んでないけど「人間失格」(だったか?)の葉蔵にはえらく感情移入してました。あっ、「富嶽百景」がありました。あれはとってもいい話です。

安部公房『砂の女』

 
一転していい話から離れてしまいましたが、失踪願望のある自分としては昆虫採集したまま行方不明になるって、なんだかいいなあと思ってしまうのですが、最後でうーむとなってしまいました。初めて読んだときはよくわからなかったけれど、ポイントを絞って読んだ二度目は、「ははあ」ときちんと思い当たるところがあり、感慨深かった想い出があります。なんにせよ、一番好きなのは村の光景だったりするんですけどね。

村上春樹『風の歌を聴け』

 
村上春樹の小説の会話は多様な解釈ができるところが面白いな、と思いますね。勝手な読み方かもしれませんけど。デレク・ハートフィールドという架空のSF作家の作品など、なにか意味ありげなところがいいなあと思います。僕は非常に鼠に感情移入してしまうんですが、皆さんどうでしょう?

 純文学とか主流文学は読んでる量が少ないので以上ぐらいでしょうか。あとはよく読んだのは笙野頼子とかですね。川端康成の『浅草紅団』とかも好きでした。あっ「伊豆の踊子」もいい話ですなあ。
 次はたぶん児童文学編かSF編です。
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人生に食い込んだ本たち(その一)

 ちょっと更新する気力がないので、昔書いて放りっぱなしにしていた記事を公開。

 僕が読書をなぜするかというと、一言「楽しむため」に尽きます。基本的には純文学も楽しむために読みます。楽しくて、ためになれば、なおいいと思いますが、ためにならないと開き直っているものはさらに大好きです。そして、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けたいのです。と、いうわけで、そんな衝撃を受けた本をいろいろ。

はやみねかおる『そして五人がいなくなる』

 ミステリの楽しさを味わって、なおかつスポーツ少年だった僕に、自分がなぜスポーツをやっているのか確認させてくれた作品。教育的でまさに児童のための文学だと思います。人生変りました。シリーズ中では『亡霊は夜歩く』が一番好き。パロディの元ネタをさがしたりして、ミステリの森に迷い込みました。

寺山修二『書を捨てよ、町へ出よう』

 書でこれを訴えるという逆説的な部分に寺山修二の面白さがあると思います。題名も文字通りに受け取ったら、バカをみるような気がします。ひねくれてものを見る方法を学びました。「なぜ、母さんと寝てはならないのか」この一文にやられました。あと好きなのは、『青少年のための自殺学入門』、『不思議図書館』など。

沢木耕太郎『深夜特急』

 半ひきこもりなので、僕にはこんな行動力はありませんが、世界の旅を疑似体験することができました。この本の影響で、映画『ミッドナイト・エクスプレス』も見ましたが、牢屋での絡みとか、面会でのおっぱい露出とか、そういう部分しか思い出せません。

山際淳司『スローカーブをもう一球』

 『江夏の二十一球』もいいですが、表題作が好きです。それぞれの人物にそれぞれのバックグラウンドがあるんだ、ということを認識しました。スポーツも勝利だけでなく、それぞれにいろんな動機づけがあり、自分がそれを見つけていかなければならないんだと学んだ作品。人生に食い込んだ一冊。

大原まり子『処女少女マンガ家の念力』

 大原まり子に初めて出会ったのは、鶴田謙二が表紙を描いた『タイム・リーパー』。『機械神アスラ』以外はたぶん全部読んだと思います。『まるまる大原まり子』というムック本まで買いました。モデルとして大原さんの登場するとり・みきの漫画も買いました。その中でも愛着のある作品が本作です。シリーズ通してだと、『ミャコとネコ』というお話が一番好き。短篇だと、『書くと癒される』が最高傑作だと思う(SFじゃないけど)。あとは、同傾向の『有楽町のカフェで』のシリーズが好き。イクラシリーズも好きだった。岡崎京子のイラストがよかった。

井上ひさし『百年戦争』

 スピッツに『猫になりたい』という曲があります。僕も猫になりたいです。このお話もある朝起きたら猫になってました、というお話。そこに宗教が絡んできます。僕の親友がある宗教の信者です。でも、僕は無神論者です。この作品は読ませられんなあと思います。中学生の時に初めて読んで、上下巻ありますが、もう五、六回は読み返しています。すてきなジュブナイルだと思います。

椎名誠『わしらは怪しい探検隊』

 『あやしい探検隊北へ』までが大好きです。あとは、普通に好きなていど。初期のエッセイは破壊力があって、ホントに面白かった。陰気な子安が寝袋に入っているところが、一番記憶に残っている。本がボロボロになるまで、消費しつくした一冊。『アド・バード』などのSF作品も好きですが、出会いのこの一冊が一番やっぱり大切に思える。

大槻ケンヂ『ボクはこんなことを考えている』

 と学会の本とかに凝りだした時期に呼んだ一冊。変なものに突っ込みを入れる生きがいを得ました。サブカルにのめりこんでいったのもこの頃でした。UFO話とか、SF方面にいったのも、このエッセイのせいかもしれません。

佐々淳之『連合赤軍浅間山荘事件』

 手に汗にぎるというか、臨場感伝わってくる本物の記録。宗田理の『ぼくらシリーズ』によって、ゆがんだ学生運動の概念をするこまれていたので、警察の側から見た学生運動という視点も新鮮だった。あっ、それは『東大安田講堂』のほうだったか?危機管理なるものも学べて一石二鳥ではないでしょうか。

辻仁成『海峡の光』

 ロックン・ローラーの歌う「自由」ってなんだろう?そう思っていたロック好きのボクのもとに降ってきた本。ゼミでこの作品を取り上げたのも、思い入れに一役買っています。函館という土地をうまく使って、かなり計算されて書かれた本。自由ていったいなんだい?エッセイ『ガラスの天井』も好きです。

筒井康隆『東海道戦争』

 中学生の時に読んで呆然としました。こんなに面白い本があったのか!『東海道戦争』なんかにもやられたし、なにより『群猫』が素晴らしかった。ほかのはちょっと中学生には難しかったかな。『信仰性遅感症』なんかもエッチで強烈に印象に残っています。筒井さんの文庫は古本屋で安かったし、かなり読みました。角川文庫の流麗なカバーが好きだったなあ。横溝正史なんかの装丁もよかったし。

野坂昭如『アメリカひじき・火垂るの墓』

 野坂昭如はこれ一冊しか読んでいないのですが、まず文体が強烈でした。あくまで、淡々と進んでいく、そのさまが逆に悲劇を浮き立たせていて好きだったのです。戦後を舞台にした作品が好きなので、ほかの作品もけっこうよかったと思います。なぜ、これ一冊しか読んでないのだろう?

星新一『ボッコちゃん』

 小学校の学級文庫にあった一冊。衝撃でした。その一言だけです。

 まだまだあります!

ビュルガー編『ほらふき男爵の冒険』

img143.jpg ご存じほらふき男爵が語る奇想天外な冒険談。狩やいくさの話はもちろん、水陸の旅に、月旅行から地底旅行まで、男爵が吹きまくるご自慢の手柄話に、あなたもむつかしい顔はやめて、ひとときの間、耳を傾けられてはいかが?名匠ドレーの挿し絵百数十葉を収録。

澁澤龍彦『毒薬の手帖』

img141.jpg 殺人というタブーにふれる行為において、殺人者を最も魅了し興奮させた手段は毒を用いることであった。毒薬はそれ自体が妖しい魅力に満ちており、殺す者と殺される者の間に、劇的シチュエーションを形成する不可欠の要因であった。その結果、数ある殺人事件のなかで、毒殺こそが犯罪の芸術と形容されるようになった。毒薬と毒殺事件をめぐる異色のエッセイ集!!

澁澤龍彦『黒魔術の手帖』

 カバラ、占星術、タロット、錬金術、低俗魔術、妖術、サバト、黒ミサ、自然魔法など、俗に黒魔術と称されているオカルティズムをめぐるさまざまなエピソードを紹介したエッセイ集。
 ほとんどこの関係の書物がなかった六十年代に発表された本書は、刊行後強烈なインパクトを与えたことで有名で、このジャンルの書物が続出するひきがねとなった先駆的作品である。

ファンキー 『メン・イン・ブラック』

   黒ずくめの男たち=メン・イン・ブラックは、地球上に住むエイリアンの監視と犯罪取締りを仕事としている。ニューヨーク市警の刑事ジェームズは、黒スーツの男Kから、地球に1500ものエイリアンが侵入していることを知らされる。そしてジェームズは、自分の過去を抹消してKと同じ仕事についた。

エログロ映画になっちゃった 『スターシップ・トゥルーパーズ2』

 昆虫型エイリアン = バグズと人類との戦いが激化する近未来。バグズが支配する辺境の惑星で激しく交戦を続けていたシェパード将軍率いる中隊は、敵の猛攻撃に合い退却を余儀なくされる。既に廃墟と化した連邦軍の基地へ命からがら逃込んだ中隊は、そこで想像を絶する恐怖にさらされる…。

SF読もうぜ(199) ジュール・ヴェルヌ『月世界へ行く』

186X年2人のアメリカ人と1人のフランス人を乗せた月ロケットがバルチモアから発射され、97時間の歴史的な大旅行を開始した。しかし、一路、月に向けて地球の引力圏を脱出したロケットの行く手には、流星の衝突や酸素の欠乏、あるいは軌道の修正等、予想外の事態が待ち受けていた。ロケットは無事、月に着陸するだろうか?19世紀の科学の粋と数世紀にわたる月観測の成果をふまえた本書は、その驚くべき予見と巧みなプロットによって、宇宙時代の今日、ますます声価を高めるSF史上不朽の古典である。

澁澤龍彦『快楽主義の哲学』

img140.jpg 人生に目的などありはしない―――すべてはここから始まる。曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。時を隔ててますます新しい澁澤龍彦の煽動的人生論。

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