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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   
カテゴリー「未選択」の記事一覧

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私の愛した漫画

 とりあえず十作品。

鳥山明『DRAGON BALL』

 我が世代の心のバイブル。といっても、連載が始まっているのは生れる前ですが。僕と同世代でこの漫画の話ができない者はいません。「クリリンのことかー!」。鳥山明の描くメカが大好きで、どうにかアレに乗りたいと思ってました。ホイポイカプセルも何度ほしいと思ったことか・・・・・・。実は僕はアニメは悟空が小さい頃しか見ていなくて、途中からは見ていません。というのは、バドミントンを其の頃から始めて練習時間だったので。しかも、うちは漫画誌を買うのが許されない理不尽な家庭だったので、廃品回収の手伝いをするときにゴミとしてでた『少年ジャンプ』をむさぼるように読んでいました。今でもあの頃のジャンプを思い出します。『電影少女』のエロいシーンを・・・・・・。『ラッキーマン』のつまらない語呂合わせを。『珍遊記』の凄まじい絵を。「もうちょっとだけつづくぞーい」という亀仙人のセリフを。

大友克洋『AKIRA』


 頭を殴られるようなショックを受けた漫画はこれが初めてでした。詳しくはコチラ。『童夢』もひたすら興奮して読んでいました。短編集にも実験的な作品が多くて好きなんですよねえ。漫画描いてほしいです。

松本大洋『ピンポン』

 ブログの第一回の記事にもしましたが、とにかく影響を受けまくりました。スポコンというものがパロディになってしまう時代に、圧倒的なリアリティを放つ独特の絵柄で、そういったものを吹き飛ばしてしまうパワフルな作品でした。競技経験者としては、新人戦が無視されてたり、団体戦とかどうするつもりなんだと突っ込みたくなる部分も多々ありますが、そんなことは気にならないほど、登場人物の苦悩とか恍惚感とか、スポーツを経験したことのある人間には感じるところがあると思います。とにかく、ドラゴン戦はマンガとしての技量が素晴らしく発揮されていて、漫画史上に残るバトルだと思います。『鉄コン筋クリート』『花男』などもよいですね。『GOGOモンスター』や『花』は面白いけれど、深みにははまりませんでした。

小田ひで次『拡散』

 現実とどう向き合うかを問う哲学的漫画。『ミヨリの森』がアニメ化したようだけど、もし、僕がアニメ監督になれるとしたらこの『拡散』を劇場用映画として製作するでしょう。それだけの一貫したテーマ性と「拡散」という身体が世界中に散らばってしまう病気のビジュアル的な面白さなど、アニメーションの映画というものにほんとうにピッタリの作品だと思います。できれば押井守監督あたりにやってもらって、素晴らしく小難しい映画にしてほしい。

岩明均『寄生獣』

 絵が巧すぎないのがすごいと思う。というと、何偉そうなことを・・・・・・と思われるかもしれませんが、『寄生獣』をむしろ絵が巧すぎる人が描いたら、ただグロテスクなだけの漫画になるような気がするのです。『寄生獣』は巧すぎないことにより、描写のグロテスクさやミギーの無機質性が緩和されていると思うし、ストーリーや構成、アクションに気が配ってあるような気がします。途中も十分に面白いですが、やはりラストのシンイチの決断、あれがあってこその名作だと思います。

宮崎駿『風の谷のナウシカ』

 映画の十倍くらい面白いのではないかと思います。映画には登場しない土鬼やトルメキア国内部の情勢など、映画では見えなかった部分がこれでもかと登場し、エコロジー的な精神を伝道するだけに終った映画とは違い、もっとドロドロとした「世界」そのものを語っています。長きに渡って連載された作品であり、宮崎駿という人物の思想の変遷を表現するものになっています。とにかく、一個の人物がこれだけのことを考えるという驚きが体全体にぶつかってくるような作品でした。

高森朝雄・ちばてつや『あしたのジョー』

 読むうちに体が震えてくる漫画というのは少ないと思う。『あしたのジョー』はそういう作品だった。寺山修司がエッセイでジョーについて書いているのを読んで、そうであるならば読まねばなあと思って手に取った。読み進めて行くうちにジョーに妙に自分がシンクロしていくのを感じた。燃えつきることを論じるジョーに賛同した。そして、ジョーが燃えつきたとき、僕は呆然と最終ページを見つめた。結末を知っていたにもかかわらず。そこには、燃えカスにまで行き着いてしまったジョーと、そうはできない自分との隔壁が横たわっていたように思う。そして、ジョーがそれを達成したことに猛烈に感動するその気持ち、フィクションの中にいる自分と現実にいる自分との境で、僕は呆然としていたのだと思う。誰もジョーには永遠に追いつけない。

楳図かずお『漂流教室』

 昔の漫画を読む時は、できるだけ昔の版型で読むことをモットーとしているので、ブックオフで少年サンデーコミックス版できれいに一巻から最終巻まで並んでいるのを見て狂喜しました。試験中だというのに全冊買い求め、恐怖にガクガクブルブル震えながら読み通しました。翌日、熱を出し、試験はなんとか受けましたが、寝込んでしまいました。楳図漫画はそれほどの威力を持っています。なにが起こるかわからない。その破天荒な展開が楳図漫画の魅力だと思います。だから、家がシマシマ模様になるくらい許してやってください。

黒田硫黄『セクシーボイスアンドロボ』

 ドラマはどうみてもつまらなそうでしたが、原作はすごいです。もともと『茄子』という短篇から入って、『大日本天狗党絵詞』『黒船』『大王』と読みました。短篇もいいのがいっぱいあります。前にアフタヌーンで復活!とかいってましたけど、その後どうなんでしょうか。新作読みたいです。単行本派なので、はやく出てほしいな。

島本和彦『逆境ナイン』

 
読む度に元気を貰います。死ぬほど笑いました。ものすごくいいセリフが多いです。「それはそれこれはこれ」「たかが100点差!」などのセリフが秀逸。物語に制約などきかず、ひたすら突っ走っていく様子が爽快な作品です。これでもかあ!と叩きつけられるように繰り広げられる怒涛の展開に、終始、圧倒されます。読んでいるものの「男」が試される作品です。たぶん、うすた京介の「男なら・・・・・・やってやれだ!」などの男問答は島本先生の影響が大です。

 次回はたぶん漫画短篇かミステリ小説になる予定。
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ブログの運営について

 最近、なにかと忙しく、また、しなくてはならないことも増えて、ブログの更新をしておりませんでしたが、これからもこういう状態がしばらくつづきそうです・・・・・・。読書量も落ち、更新する機会もあまり作ることができませんが、まあ、マイペースでやっていくことにいたします。とりあえず、極私的漫画研究のようなものは週に一度月曜日に息抜きにやるとして、SFは読んだ端から更新する、と、自分の中のルールを、特に必然性はありませんが作ってみたいと思います。とりあえず今は『SFマガジン』のスペース・オペラ特集と『60'日本SFベスト集成』をノロノロ読み進めております。
 まあ、でも、今日でとりあえず一段落はついたので、明日からバリバリ楽しくいろんなものを読みたいですね。

現在の積読

 積んでるだけの本が増えていきます・・・・・・。

スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』
アーシュラ・K・ル・グィン『風の十二方位』
アーシュラ・K・ル・グィン『オルシニア国物語』
ロバート・L・フォワード『竜の卵』
アン・マキャフリイ『塔のなかの姫君』
ジョージ・A・エフィンジャー『重力が衰えるとき』
小川隆・山岸真編『80年代SF傑作選』上下
ジョージ・R・R・マーティン『サンドキングズ』
アイザック・アシモフ『夜来たる』
オースン・スコット・カード『死者の代弁者』
オースン・スコット・カード『辺境の人々』
ジョセフ・エルダー編『ラブメイカー』
ティモシイ・ザーン『ブラックカラー』
A・E・ヴァン・ヴォークト『非Aの世界』
フレッド・ホイル『秘密国家ICE』
ジョン・ヴァーリイ『残像』
ジョン・ヴァーリイ『ブルー・シャンペン』
アーサー・C・クラーク『地球帝国』
アーサー・C・クラーク『宇宙のランデブー2、3』
ディーン・クーンツ『デモン・シード』
フィリップ・ホセ・ファーマー『緑の星のオデッセイ』
ジョー・ホールドマン『終りなき平和』
トマス・バーネット・ワトスン『薔薇の荘園』
ウィリアム・ホープ・ホジスン『異次元を覗く家』
ラリイ・ニーヴン『リングワールド』
テッド・チャン『あなたの人生の物語』
ブルース・スターリング『タクラマカン』
シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』

前回の積読本リスト。あまり消化できてません。

筒井康隆氏の講演に行って参りました

 松本清張記念館九周年記念の筒井康隆氏の講演会に行って参りました。題目は「小説とは何か」ということで、感情移入論による文学史ということでした。中村光夫の『日本の近代小説』を読み返して、今日の日に備えたので、話に登場する人々の名前がよく理解できてよかったです。なにごとも準備は大事だなあと思いました。いずれ本になさるようなので、楽しみです。
 生の筒井さんはとってもカッコよかったです。髪型がすごくきまってました。講演がお上手であることは聞き及んでおりましたが、ジョークをまじえつつお話になる様子が、かなり手馴れていて、さすが役者をやっているだけあって、言葉ひとつひとつがはっきりとしていて聴きやすかったです。とても、充実した時間をすごすことができました。
 なお、筒井氏は「ライトノベルを書く」と力強く宣言しておられましたので、とっても楽しみです。

ミステリ読もうぜ① 松本清張『点と線』

img158.jpg 九州博多付近の海岸で発生した、一見完璧に近い動機づけを持つ心中事件の裏にひそむ恐るべき奸計。汚職事件にからんだ複雑な背景と、殺害時刻に容疑者は北海道にいたという鉄壁のアリバイの前に立ちすくむ捜査陣・・・・・・。列車時刻表を駆使した、リアリスティックな状況設定により、推理小説界に「社会派ミステリー」の新風を吹き込み、空前の推理小説ブームをまきおこした秀作。

人生に食い込んだ本(その五)

 なんとなく短篇編。

井上ひさし『握手』

 
読み終わった後、数秒間呆けてしまった。真に感動を与えてくれるものに出会うと僕はそんな反応を示します。このお話はある孤児院の修道士のお話で、とても短いのですが、その感動度は限りなく大きいです。懐疑主義の現代人にとって、信仰はどうあるべきか。少なくとも僕はルロイ修道士のようでありたい。今、その信ずべきものを探しているところですけどね。講談社文庫『ナイン』所収。表題作「ナイン」も好きです。

大原まり子『書くと癒される』

 
題名を本文に直接つなげる、という技巧的な面から、最後の一行までほんとうに愛おしく読めました。大原まり子の新刊が読める、という期待感を裏切らないすてきな作品でした。大原さんの小説で好きなのはときどきハッとするような真実で読者を切り裂くような問いかけがあるところです。僕が好きなのは次のくだり。

 「自分を変えるか、それとも滅びるか。滅びるのは間違いなく自分の方で、世界の側ではない。自分が滅びたのちも世界は何食わぬ顔をして生き延びるのだと腑に落ちた。」

 そして、大原まり子の小説は時代を写し取っている。宇多田ヒカルや「ベルセルク」・・・・・・それらの単語が未来で古びないことは、同じく大好きな「処女少女マンガ家の念力」が証明している。それらも小説世界の一員として、しっかり自己主張しているのが好きだ。同じく「有楽町のカフェーで」も友人を待つ喫茶店で過ごすお話なのだが、そこには生き生きとした「世界」が描かれていて、ひとつのユートピアを形作っていると思います。そして、そうしたユートピアが描かれていればいるほど、それが崩れ去ることが悲しく、過去が愛おしい。「薄幸の町で」にはほんとうに泣かされました。精神的に不安定なパートナー、自由業(フリーターは自由業でしょうか?)の語り手など、「書くと~」とは様々な共通点があると思います。「書くと癒される」は光文社文庫『超・恋・愛』に、「有楽町のカフェーで」「薄幸の町で」はハヤカワ文庫JA『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』に収録。

景山民夫『チキンレース』

 
オンボロのシトロエン2CVでバカな若者のスカ・G・Bとチキンレース。車のことは全然わかりませんが、やっぱり弱いもの、不利なものが、頭や技術を使って勝つというお話が僕は大好きなんで。判官びいきここに極まれり。判官びいきは現実にむくわれることはその構造上少ないので、こういった物語は超興奮します。車は楽しく乗ろう。講談社文庫『休暇の土地』収録。

江戸川乱歩『パノラマ島綺譚』

 
最初の方の自分に似た人間が・・・・・・もいいですが、やはり改造した島での耽美的な世界がもうなんともいえずに素晴らしい。特に海中の通路です。しかも人魚を泳がせる!美の地獄という感じで、もう、なんというか、うーん、たまらん!という感じ。鼻息荒く最後まで読み進みました。乱歩はほかに「陰獣」とか、「屋根裏の散歩者」とか、「心理試験」とか、すごいものが多すぎます。

森奈津子『悶絶!バナナワニ園!』

 
最初に森奈津子を読んだのは、たしか百合小説のアンソロジー、『カサブランカ革命』だった。大原まり子の小説が読みたくて購入したのですが、その前にこの小説にやられてしまった。「なんじゃ、こりゃー!」という衝撃がありました。『SFバカ本』に寄稿している人も何人か書いていたような気がします。とにかく、下ネタで笑うということがたまらなく好きな人にはオススメですね。こういうのを笑えるのはなかなか精神的にリベラルでなければできないことだと思いますので。ハヤカワ文庫JA『西城秀樹のおかげです』に収録。

志賀直哉『城の崎にて』

 
小説の神様、変な小説の次にすみません。とにかく、文学の読み方なんてわからなかった僕にこの小説の面白さを教えてくれた国語の先生ありがとう!いくつか出てくる虫や動物の生と死、それに自分を重ね合わせて観る志賀の淡々とした文章と視線に、人生のはかなさとか、そんなものが身内を襲ってくるのです。何回も読み直しているのですが、読むたびにしみじみ。ただ、志賀の小説はどれも味が薄いです。

梶井基次郎『檸檬』

 
ときどき、心が死にます。何も感じなくなるときがあって、楽しい本もマンガも音楽も、僕になんの効果ももたらさないことがあります。「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。」きっと、そんな気分を表した文章なのでしょう。妙に上品ぶっているものが憎くて、自分がなにかに疎外されているような気分になる。そんなものへの復讐として、檸檬を丸善に置いてきた梶井の気持ちが僕にはよくわかる。

 丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛て来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなに面白いだろう。私はこの想像を熱心に追及した。「そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉みじんだろう」

 この一文が僕にもなんとも爽快で、微笑ましく思えて、梶井にシンクロしてしょうがない。

アラン・シリトー『長距離走者の孤独』

 なんだか夢中になって読んだ覚えがあります。僕も中学生のときは陸上部長距離だったので。反逆精神の塊の少年の話なんですが、やっぱりゴール手前のシーンがなんともいえず、それを象徴しているシーンで、大好きです。ただ、ほかの作品がシーンは浮かぶけれど、どんな話だったのか、大筋が思い出せない。ほかのもまた読み返してみよう。新潮文庫『長距離走者の孤独』に収録。

筒井康隆『バブリング創世記』

 筒井康隆の恐ろしさを思い知った作品。読んでない方は一読をオススメします。驚愕。『フル・ネルソン』『上下左右』『デマ』『読者罵倒』などなど、ものすごい作品がちょっと思い浮かべただけでも目白押し。読むべし。

ハーラン・エリスン『「悔い改めよハーレクィン!」とチクタクマンはいった』

 
過激な物語というやつが好きで、反逆的で下品であればもっと好き。ハーラン・エリスンは好きな作品をたくさん書いてくれている。でも、実際に社会生活でこういう人には会いたくないような気もする。現代批判とかそういう建前的なものじゃなくて、自分の好きで信じたことをこの人は書いているような気がする。勝手な幻想かもしれませんが。とにかく好き。

 挙げればきりがなくなるのでこのへんで。内容は覚えているものの、題名を忘れているものがけっこうあります。こう書いていくと、読書傾向がバラバラですなあ。指向性がまったく感じられませんね。
 次はミステリ編か、随筆編になるでしょう。その後で映画とか漫画とかに入っていくと思います。

澁澤龍彦『幸福は永遠に女だけのものだ』

img145.jpg 「女に生まれたということが、女の幸福の第一歩なのである」。女性的原理について論じた表題作をはじめ、ホモ・セクシャリズムやフェティシズム、オナニズムを語る「異常性愛論」、有名女優をめぐる考察「モンロー神話の分析」等、存在とエロスを軽やかに読み解く傑作エッセイ29編!

人生に食い込んだ本(その四)

 と、いうわけで今回はSF編。自然、オールタイム・ベストの様相を呈します。

筒井康隆『虚構船団』

 すごいぜ!と心底思いました。なんせ文房具と鼬の戦争ですよ!純文学書き下ろしで刊行された作品ですが、究極のSF作品だと思いました。筒井さんの長篇では「美芸公」「脱走と追跡のサンバ」などが大好きで、何度も読んでいます。短篇はまた後で。

椎名誠『アド・バード』

 
やっぱり「コカ・コーラ」の広告がでるあたりが一番鮮明に記憶に残っています。変なロボットとか、変な虫とか、変なものがいっぱい登場するので嬉しかったです。椎名SFは「水域」や「武装島田倉庫」なんかも面白かったです。幻想的なものも大好きで、「胃袋を買いに。」なんかの短編集も夢中になって読んでいました。

小松左京『明日泥棒』

 
変な宇宙人がやってきて・・・・・・というようなお話なんですが、この頃教訓深い作品が好きだったので、最後のくだりがじーんときたんですね。人類は明日を泥棒してるんだっていう。こういう生真面目さが小松SFの魅力だと僕は思います。もちろん、バカなギャグもいっぱいあるんですけどね。『日本沈没』『首都消失』や『こちらニッポン』なども大好き。中学校の図書館で読んだ「青い宇宙の冒険」も記憶にありありと残っています。

高千穂遙『ダーティペア』シリーズ

 
大好きです。安彦良和さんの絵も素晴らしい!毎回壮大なラストで終ってくれて、非常に楽しいし、娯楽に徹しているところが美しいと思います。「あによ」とかああいう現代風(?)なセリフもいちいち可愛いですね。クァールのムギも大好きです。同傾向では東野司の「ミルキーピア」シリーズ、火浦功の「みのりちゃん」シリーズとか、ハヤカワJAはけっこう読んだなあ。岬兄悟の「ラブペア」シリーズなんかも読みました。

平井和正『超革命的中学生集団』

 なんか超能力ものの中でもパロディっぽくて、日常性の中にいるのがいいと思います。とにかく、題名が好き。永井豪の挿画も、これまたいい味だしてんですよねー。世界観が永井豪そのものですよね。しかし、「ウルフ・ガイ」シリーズを読んだときはびっくりしました。なんか思想がかたよっているなあ、と。

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

 スプロール三部作は異常な面白さだと思います。一度読みかけたときは、意味がわからずに放り出したのですが、押井守監督と士郎正宗の『攻殻機動隊』を読んで、改めて読むと「うわー、すげー!」と衝撃でした。しばらくサイバー・パンクという1ジャンルにどっぷり浸かってました。『スキズマトリックス』も大好きだし、大原まり子の『ハイブリットチャイルド』も同傾向の作品として受け取った覚えがあります。映画では『ニルヴァーナ』とか『JM』ですね。ちょうど、『マトリックス』が公開される少し前でした。『マトリックス』ははまりまくって、DVDも全部揃えています。

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

 王道。なにか面白い本が読みたい、という友人があれば、この本を貸します。翌日、早起きしないといけないにも関わらず、あまりの面白さに途中で放り出すことができず、夜中の三時まで読みふけりました。ほんとうに超一級のエンタテイメントだと思います。ただ、あのいとこと○○するのはどうなんだ?と読んだ人といつも笑ってしまいます。

カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』

 
諧謔に満ちた文章がとてもすばらしいと思いますね。伊藤典夫さんの翻訳のおかげでしょう。真面目でありながら、それゆえに皮肉めいた文章になってしまう作者の誠実性みたいなものがかいまみえるところがあって、それで僕は感動してしまうんです。ボコノンの教えは僕も実践しています。ヴォネガットのほかの作品では、『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』が好きです。キルゴア・トラウトが最高です。

フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』

 
たしか小学六年生か、中一の頃くらいに読んだと思います。ブラック・ユーモアの作品だと思うのですが、ウフフフフと読みながら心の中で笑っていました。ハヤカワ文庫の表紙の不気味な火星人の姿が今でも妙に印象に残っています。こんなやつらがいたらやだなー、と心底思いました。SF作家が語り手というのも王道でいいですね。僕は『発狂した宇宙』の数倍、この作品のほうに思い入れがあるなあ。

フィリップ・K・ディック『高い城の男』

 
すべての作品を読んでいるわけではないですが、ディックのベストは『虚空の眼』だと思います。けれど、感想載せているものをやってもしょうがないから、「高い城の男」です。思い入れもありますし。初めてディックを読んだのは『ユービック』かこの『高い城の男』でした。同時にマイケル・ムアコックの『この人を見よ』も読んだけど、まったく内容を覚えていません。中学生の頃でした。高い城の男は「日本やドイツが戦争に勝っていた」という設定のもとで、一人の作家が・・・・・・というお話だったと思います。世界の瓦解感というか、そういうものをディックの作品によって初めて知りました。それにしても『ユービック』の表紙は気持ち悪かった。

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

 
泣きました!主人公の悲劇は現代人を痛烈に批判したもので、僕も生き方を少し修正しなければいけないんじゃないかと思いました。幸せっていったいなんなんでしょう?キイスはほかに短編集も読んでいますが、やっぱりベスト・セラーにもなった『ビリー・ミリガン』がすごいですね。実話ってところが・・・・・・・。「ダニエル・キイス読本」なるものも買いましたが積読です。いつになったら読めるだろう。

ブライアン・W・オールディス『地球の長い午後』

 
超弩級の興奮が脳を直撃しました。ツナワタリとかアミガサとか、植物の生態ももちろん面白かったけれど、反逆の主人公っていうのが、なんだかよかったです。なんだか、むわーっと植物が周囲を覆っているという状況が大好きです。「ナウシカ」なんかもそうですけどね。イメージがありありと浮かんでくる貴重な作品ですねー。

 最近読んだものを除外しているので、海外のものはすごく普通になってしまいましたが、まあ、やっぱりみんなが面白いといってるものは面白い、と。次回は短篇版になりそうです。

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