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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   
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夢枕獏『飢狼伝Ⅰ』

6年前、東洋プロレスの梶原年雄に敗れ、自らの肉体を鍛え続ける丹波文七と竹宮流・泉宗一郎の野試合は凄絶をきわめた。文七の名は立会人・姫川勉の口から北辰空手総師・松尾象山の耳にも届く。子犬のようにつきまとう少年・久保涼二をつれ、文七は東京へ。目指すは梶原!格闘小説の金字塔第一弾。

山田風太郎『忍法八犬伝』

eef5183b.jpeg八犬士活躍後百五十年。若き城主里見忠義が快楽を貪った代償に、家宝の「忠孝悌仁義礼智信」の八顆の珠が「淫戯乱盗狂惑悦弄」にすり替えられた。これぞ、里見家取潰しを狙う本多正信――服部半蔵の策謀。甲賀卍谷で忍法修行した、八犬士の末孫八人vs半蔵指揮下伊賀者の女忍者八人の熾烈果敢な戦いやいかに!

山田風太郎『忍法忠臣蔵』

dec512d5.jpeg殿中での吉良への刃傷沙汰により、浅野家は断絶され、赤穂浪士は仇討の機を窺う。一方、吉良方が頼りとする上杉家では、家老の千坂兵部が女忍者を用い、仇討防止に色仕掛けで浪士の骨抜きを企む。大石内蔵助が同志と密議の最中に、妖美と怪異の忍法が華と炸裂した!殺気と妖気が奔流のごとくに交錯する!

遠藤周作『侍』

 藩主の命によりローマ法王への親書を携えて「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは―――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の"生"を通して、人生と信仰の意味を問う。

澁澤龍彦『高丘親王航海記』

 貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼児から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と化していたのだ。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考えたことは・・・・・・遺作となった読売文学賞受賞作。

巨匠の死

 今朝新聞を読んで、クラークが亡くなったのを知った。
 ヴォネガットが死んだときもショックを受けたが、今回も同様のショックだった。クラークはSFファンには特別の思い入れの発生する作家だと思う。それはクラークの作品が、入門者がSFの戸を叩くときに、必ず現われる古典となっているからだ。『幼年期の終り』は僕にSFのなんたるかを教えてくれた、SFの中のSFだ。キューブリックとの合作『2001年宇宙の旅』は面白さを通り越して、僕を呆然とさせた。
 こんな素晴らしい体験をさせてくれて、ありがとう!心からそう思う。
 ご冥福をお祈りいたします。

桂米朝×筒井康隆『対談 笑いの世界』

img238.jpg「東京と大阪では、受け方なり、どこで笑うかということはだいぶ違いますで。・・・・・・こっちの芸人は『もうひと押し』というところがある。充分受けてるのに、もうひとえぐりしたいという気持ちがあるんやな」(桂米朝)
「僕は喜劇映画のドタバタ、スラップスティック、あれを小説でやろうとしたわけですよ。・・・・・・それはドタバタ以外の小説を書く場合でも、ずいぶん役に立ってます」(筒井康隆)
片や落語界の重鎮、片や日本を代表するSF作家。ともに「笑い」を追求してきた二人が、漫才や映画、歌舞伎にまで話題を広げ、薀蓄を披露しあう様は、さながら競演会だ。


 興味深い、というのが読んでみての印象。

 落語はSFに大きな影響を与えている芸のようです。僕の知るところでは筒井康隆、火浦功、横田順彌、小松左京、半村良、とり・みきの作品に落語の語り口の作品やアイデアを拝借した作品があったと思います。

 最近注目を浴びている落語ですが、『タイガー&ドラゴン』や『しゃべれどもしゃべれども』、或いは『GO』もだったかな?落語は古い笑芸というイメージから新たなイメージを獲得しつつあるようです。テレビでネタ番組が恒常的に見られるようになった昨今、笑芸が見直されているのは確かなようです。

 かつて「笑い」は卑賤のものとして扱われていました。武士は笑わず、しかめつらをしていなければならなかった。上役がこけたことを笑ったお陰で切腹させられた武士までいるそうですから、その真面目ぶりは現代の僕たちから見れば恐ろしくもあり、逆に滑稽です。しかし、お上もついに笑いを認めたようで桂米朝は文化功労賞、筒井康隆は紫綬褒章を貰ったことがこの『笑いの世界』という対談の契機となったとは、なにか感じ入るところがあります。

 お話の中心は戦前・戦後の映画や、落語のお話など、二人の笑いを醸成してきた笑い文化、自分たちの仕事です。歌舞伎や落語のSF的な作品なんかも取りざたされているので、そういったものがお好きな方は必見です。個人的には自来也の元型である歌舞伎「天竺徳兵衛」、「地獄八景亡者戯」「こぶ弁慶」「あたま山」などの落語はぜひとも見たいものです。

 SFファンとして見れば途中で筒井さんが「SFの人が何であんなにみんな短命なのか。」と嘆いているシーンが非常に印象的でした。

筒井康隆『本の森の狩人』

img237.jpg 筒井康隆の文芸時評です。

 書評というのはその作品を読んでない場合にはガイドに、読んでいる場合は共感とか新しい発見とかになると思います。僕が読んでいるのはヴォネガットの『ホーカス・ポーカス』、清水義範『世界文学全集』の二つだけ。五十一分の二作です。

 SF関係では大江健三郎『治療塔惑星』、バラード『ウォー・フィーバー』、オールディス『一兆年の宴』、ディーノ・ブッツァーティ「タタール人の砂漠」が取上げられています。最後のディーノ・ブッツァーティの場合は、「SFマガジン」に掲載された「戦艦の死」についても語られていて、「ああ、そういえばそんな意味のわからない作品があったなあ」と思い出しました。

 筒井康隆と交流のある作家の場合には火田七瀬が、演劇に関する場合には美藝公が、文学理論に関係のある場合には唯野教授が、それぞれ語り手として登場するので筒井ファンには楽しいです。

 ガイドとしてこの書を使うとき、特に読みたくなったのは丸山健二「千日の瑠璃」、井上ひさし「括弧の恋」、笠井潔「哲学者の密室」、です。あとは西洋古典もきちんと読まなきゃいけないなと思いました。

三島由紀夫『音楽』

 少女期の兄との近親相姦により、美しい“愛”のオルガスムスを味わった麗子は、兄の肉体への憧憬を心に育み、許婚者をも、恋人をも愛することができない。麗子の強烈な自我は、彼女の不感症を癒すべく、懇切な治療を続ける精神分析医の汐見医師をさえ気まぐれに翻弄し、治療は困難をきわめる――。女性の性の複雑な深淵に迫り、人間心理を鋭く衝いた、悪魔的魅力をたたえた異色作。

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