忍者ブログ

SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

夢枕獏『飢狼伝Ⅰ』

6年前、東洋プロレスの梶原年雄に敗れ、自らの肉体を鍛え続ける丹波文七と竹宮流・泉宗一郎の野試合は凄絶をきわめた。文七の名は立会人・姫川勉の口から北辰空手総師・松尾象山の耳にも届く。子犬のようにつきまとう少年・久保涼二をつれ、文七は東京へ。目指すは梶原!格闘小説の金字塔第一弾。

PR

SF読もうぜ(302) A・E・ヴァン・ヴォクト『スラン』

img264.jpg
 
スランだ!殺せ!一瞬にして街路は阿鼻叫喚の坩堝と化した。敵意に満ちた人々の執拗な追跡のなかを、まだあどけない顔立ちの少年は逃げる。黒髪にまじる一房の金色の巻き毛を風になびかせながら。追いかけてくるのは死、待ちうけるのは恐怖!だがその幼い少年こそ、秘密の鍵――並みはずれた知能と能力を持つがゆえに虐げられ、迫害される新人類スランの未来を開く鍵を握るただ一人の人間だった!壮大なスケールと錯綜するプロット、迫力ある筆致によって濃密なSFムードを醸しだす達人――ヴァン・ヴォクトがみごとに描きだしたミュータント・テーマの不滅の名作!

SF読もうぜ(300) 宮部みゆき『蒲生邸事件』

img262.jpg

予備校受験のために上京した受験生孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年、雪降りしきる帝都東京では、いままさに二二六事件が起きようとしていた――。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇!

SF読もうぜ(297) アーサー・C・クラーク『楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想』

a.jpg イギリスの片田舎で過ごした少年期、ロンドンでの公務員生活、そしてイギリス空軍の技術士官としてレーダー開発に従事した6年間・・・・・・やがてSF界の巨匠となるアーサー・C・クラークのかたわらには、常にパルプ雑誌〈アスタウンディング〉と驚異に満ちた短篇の数々があった。SFと宇宙科学への関心で結ばれた様々な友人たちと交流した黄金の日々を、ユーモア溢れる筆致で生き生きと描いたファン待望の自伝的エッセイ。

SF研究⑯ 『図書新聞』昭和37年10月20日 石川喬司「SF同人誌評」

 本日は石川喬司氏の「SF同人誌評 見事な仮説の世界『やぶれかぶれのオロ氏』(筒井)」です。

 『第一回日本SF大会』というのがさきごろ東京で開かれた。集まったのは二百人。主催者は「こんなに多勢の人が・・・・・・」とびっくりしていた。二百人で多勢――とは、いささか非科学的な表現だが、ことほどさようにわが国のSF人口はとぼしいのである。
 唯一の商業誌『SFマガジン』の発行部数が公称四万。ひところ出版界には「SFと西部劇に手を出せば必らずつぶれる」というジンクスがあったが、それをのりこえての読者開拓は容易ではなかったらしい。


 こういった状況から、世界SF大会をやってしまうまでになったんですなあ・・・・・・。

 しかし数が少ないかわりに、ファンの質はきわめて高い。創刊六年目をむかえた同人誌『宇宙塵』や、季刊で七号を数えた『NULL』のグループの中には、市場さえ拡がれば立派にプロとして通用する実力をもった連中が多い。現に『宇宙塵』同人からは、星新一、矢野徹をはじめとして数人の有望なSF作家が巣立っており、最近では、同誌に途中まで連載された今日泊亜蘭の長篇『光の塔』が東都ミステリーの一冊として刊行されている。
 推理小説の同人誌が、一部を例外として、きわめて低調なのは、すこし筆が立てばすぐプロとして登録される変則的な売手市場のためだろうし、一方、SF同人誌が隆盛なのは、それとはまったく正反対の事情によるものだろう。

 ここまでは、SFの市場の狭さがよくわかると思います。ここから、同人誌評として『NULL』掲載の筒井康隆『やぶれかぶれのオロ氏』が賞揚されております。ここでは同年9月23日に安部公房が『朝日ジャーナル』に寄せた文章(確認しておりませんが『日本SF論争史』にも所収されている「SFの流行について」だと思います)の中の「仮説の文学」という言葉を使用し、褒めておられます。

 『NULL』にはこのほか八篇、『宇宙塵』(五十九号)には五篇の創作が掲載されているが、いずれも面白い。このような良質の作品が一部のマニアの間でしか享受されていない現状は淋しい限りである。
 SF同人誌には、ほかに『宇宙気流』『アステロイト』『宇宙船』『パラノイア』などがあるが、いずれ機会を改めて触れることにしたい。なおこのほど『宇宙塵』国際版(英文)が刊行されたことをご紹介しておく。柴野拓美のSF大会報告などがのっておりおそらく海外のマニアをウナらせることだろう。


 主旨は筒井氏の作品の批評なのですが、当時のSF界の状況をうかがい知ることのできる資料としても面白いと思います。ではでは。

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最新TB

フリーエリア

カウンター

アクセス解析

プロフィール

Copyright ©  -- モラトリアム --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]