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SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

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巨匠の死

 今朝新聞を読んで、クラークが亡くなったのを知った。
 ヴォネガットが死んだときもショックを受けたが、今回も同様のショックだった。クラークはSFファンには特別の思い入れの発生する作家だと思う。それはクラークの作品が、入門者がSFの戸を叩くときに、必ず現われる古典となっているからだ。『幼年期の終り』は僕にSFのなんたるかを教えてくれた、SFの中のSFだ。キューブリックとの合作『2001年宇宙の旅』は面白さを通り越して、僕を呆然とさせた。
 こんな素晴らしい体験をさせてくれて、ありがとう!心からそう思う。
 ご冥福をお祈りいたします。

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SF読もうぜ(277) フランク・ハーバート『デューン 砂の惑星①』

 アラキス・・・・・・砂丘・・・・・・砂の惑星。ボウルの夢に一面乾ききった死の世界が広がる。そこがかれがこれからの一生を過ごす所なのだ。アラキスは苛酷な星ではあったが同時に唯一の老人病特効薬メランジの宝庫でもあり、皇帝の勅命を受けたアトレイデ公爵にとって、そこを仇敵ハルコンネン家にかわって支配することはこの上ない名誉と富を意味した。一人息子ボウルにより豊かな未来を継がせるためハルコンネンの復讐の罠を、皇帝の恐るべき姦計を、充分承知しながら公爵はあえて砂の惑星に乗りこんでいく・・・・・・ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く傑作巨篇、堂々開幕!

SF読もうぜ(276) フィリップ・リーヴ『移動都市』

 60分戦争で文明が荒廃した遥かな未来。世界は都市間自然淘汰主義に則り、移動しながら狩ったり狩られたり、食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反撥する反移動都市同盟にわかれて争っていた。移動都市ロンドンに住むギルド見習いの孤児トムは、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けるが・・・・・・。過酷な世界でたくましく生きるトムとヘスターの冒険。傑作シリーズ開幕。

SF読もうぜ(275) ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』

 恐竜はなぜ滅んだのか?この究極の謎を解明するために、二人の古生物学者がタイムマシンで六千五百万年のかなた、白亜紀末期へ赴いた。だが、着いた早々出くわしたのは、なんと言葉をしゃべる恐竜!どうやら恐竜の脳内に寄生するゼリー状の生物が言葉を発しているらしいのだが、まさかそれが「***」だとは・・・・・・!?次々に披露される奇抜なアイデア、先の読めない展開。実力派作家が描く、心躍るアドベンチャーSF。

漫画感想目次

 漫画感想の目次です

それは私のおいなりさんだ あんど慶周『究極!!変態仮面』
笑って泣け 相原コージ『動物生態図鑑 笑ってシロクマ』
オリハルコン製のとぼけた超兵器 あさりよしとお『ワッハマン』
こんな世界に住んでみたい あずまきよひこ『あずまんが大王』
SFのSFによるSFのためのマンガ 吾妻ひでお『不条理日記』
全部実話です(笑) 吾妻ひでお『失踪日記』
風刺の効いたSFギャグ いしいひさいち『地底人 暗黒魔団の陰謀』
しかけの名人 石川雅之『週刊石川雅之』
バカな子ほど可愛い 石川優吾『カッパの飼い方』
またも映像化 一色まこと『花田少年史』
恐怖とギャグの境界線 伊藤潤二『ギョ うごめく不気味』
ホラーに辻褄はいらない 伊藤潤二『死びとの恋わずらい』
業界初チチ萌え? 井上和郎『葵DESTRUCTION!』
「私」という牢獄 岩明均『七夕の国』
下ネタもここまでくれば天晴れ 氏家ト全『妹は思春期』
下ネタと萌えの競演 氏家ト全『女子大生家庭教師濱中アイ』
1クールのレギュラーより1回の伝説? うすた京介『武士沢レシーブ』
ツッコミという哀しい生き物 うすた京介『すごいよ!!マサルさん』
最強のトラウママンガ 楳図かずお『漂流教室』
世界の中心でギャーと叫ぶ 楳図かずお『神の左手悪魔の右手』
ジェネレーション・ギャップ 浦沢直樹『20世紀少年』
きれいなお兄さんは好きですか? 江口寿史『ストップ!!ひばりくん!』
女の園の実態とは? 大島永遠『女子高生』
哲学SF漫画 小田ひで次『拡散』
真に心から巨匠と称せる 大友克洋『童夢』
唇の端を歪めて笑う 大友克洋『彼女の想いで・・・』
不思議な味わい 大友克洋『SOS大東京探検隊』
破壊の美学 大友克洋『AKIRA』
スネ毛は社会の迷惑です 川原泉『月夜のドレス』
メダルじゃない。 川原泉『銀のロマンティック・・・わはは』
甲子園まで何マイル? 川原泉『甲子園の空に笑え!』
がんばれ女子野球選手 川原泉『メイプル戦記』
ふりまわされる人々 横見浩彦・菊池直恵『鉄子の旅』
なにわ魂爆発 北道正幸『スカタン野郎』
続・なにわ魂爆発 北道正幸『スカタン天国』
毒見のピリリと効いたネコ漫画 北道正幸『ぷ~ねこ』
どこまでも突っ走れ! 木多康昭『幕張』
ブレーキのきかない男 木多康昭『泣くようぐいす』
アクセルしか踏めない男 木多康昭『平成義民伝説 代表人』
女装島田倉庫 金田一蓮十郎『ニコイチ』
嘘つき教師と少年少女の仁義なき戦い 倉島圭『24のひとみ』
モラトリアム 黒田硫黄『茄子』
疾駆する物語 黒田硫黄『セクシーボイスアンドロボ』
被虐系ヒロイン(?)タカマルくん 近藤るるる『たかまれ!タカマル』
百合の花咲く格闘マンガ 近藤るるる『ハイパーあんな』
スパイの世界は人材不足 佐々木倫子『ペパミント・スパイ』
おもしろ姉妹の生活 佐々木倫子『林檎でダイエット』
ここは地獄か極楽か 佐々木倫子『Heaven?』
誰だっけ、この人? 佐々木倫子『忘却シリーズ』
棺に入れてもらいたい 佐々木倫子『動物のお医者さん』
チャンピオンの看板娘 佐渡川準『無敵看板娘』
心の治療薬 サラ・イイネス『大阪豆ゴハン』
「流れよわが涙」ないい話たち 椎名高志『(有)椎名百貨店』
カバーを取れば魅惑の世界? 篠房六郎『空談師』
ガンダム必殺のクロスカウンター 島本和彦『あしたのガンダム』
萌えるな!燃えろ! 島本和彦『燃えよペン』
炎尾燃の「いい詭弁」を魂に刻み込め! 島本和彦『吼えろペン』
あえて間違った道を選べ! 島本和彦『男の一枚 レッドカード』
これを読むとテニプリがいかにギャグ漫画に近いかがわかる(かもしれない) 島本和彦『燃えるV』
「男の魂 充電完了!」 島本和彦『逆境ナイン』
これを読んだらあとは立ち上がるしかない! 島本和彦『無謀キャプテン』
SFとは屁理屈だ! 島本和彦『ワンダービット』
カラダ手裏剣の恐怖 島本和彦『炎のニンジャマン』
フェイスレスはここでもモテなかった 島本和彦×藤田和日郎『からくり逆境サーカスナイン』
心地よい胸の痛み 志村貴子『放浪息子』
老眼の人はきっと読むのに苦労する 士郎正宗『攻殻機動隊』
少年探偵の系譜 高橋葉介『夢幻紳士』
惑星を二分する壮大な夫婦喧嘩 高橋葉介『『惑星LOVEの崩壊』
各種変人美少女取り揃えています。うじゃうじゃ 竹本泉『よみきりもの』
コスプレ少女の鏡 竹本泉『しましま曜日』
マンガも異才 筒井康隆『筒井康隆漫画全集』
『アベノ橋魔法商店街』の二巻はきっとでない。『Forget-me-not』の二巻もきっとでない。いや、十年後くらいにはあるいは・・・・・・。 鶴田謙二『the Spirit of Wonder』
SFXやVFXではない。特撮だ! 鶴田謙二『宇宙防衛軍・予告編』
エマノンはきちんと終るだろうか? 鶴田謙二『SF名物』
ミロのヴィーナスに腕はいらない 鶴田謙二『水素 hydrogen』
想定の少し斜め上を行く面白さ 富樫義博『レベルE』
美少女とグロ 富沢ひとし『プロペラ天国』
赤面せずにはいられない とよ田みのる『ラブロマ』
二十年前の「ガチャガチャ」 とり・みき『クルクルくりん』
やっぱりヒロインは強気がいい 西森博之『甘く危険なナンパ刑事』
武士とはなんぞや? 西森博之『道士郎でござる』
今日から俺は!! 西森博之『お茶にごす。』
人間の肉体を拡張し続けるとどうなるか 二瓶勉『BLAME!』
君はリアル女装に耐えられるか 畑健二郎『ハヤテのごとく!』
自称日本一不幸な少女の強烈なバイタリティ はるき悦巳『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』
なんとなく既視感 氷川へきる『ぱにぽに』
鮮やかによみがえる気持ち 福島聡『少年少女』
なぜ秘書に萌えるんだろう? 藤木俊『こわしや我聞』
時間が熟成した物語 本多健志『Stop!ナデシコさん』
大人になったのび太少年 松本大洋『ドラえもん』
人生を変えてくれた物語 松本大洋『ピンポン』
名作の原点 宮崎駿『シュナの旅』
宮崎駿の凶暴な妄想が吹き荒れる 宮崎駿『宮崎駿の雑想ノート』
ナウシカよりも・・・? 宮崎駿『泥まみれの虎 宮崎駿の妄想ノート』
SとMの狭間で モリタイシ『RANGEMAN』
人外娘は好きですか? やぎさわ景一『ロボこみ』
セーラー服って・・・いいよね・・・ 安田弘之『紺野さんと遊ぼう』
偉大なる擬音の発明 安永航一郎『巨乳ハンター』
第二巻発売望む 安永航一郎『超感覚ANALマン』
外宇宙・内宇宙との戦い 幸村誠『プラネテス』
アフタヌーン作家大集合 『大合作』
あなたの故郷は沈んでますか? 『日本ふるさと沈没』

時間が熟成した物語 本多健志『Stop!ナデシコさん』

img239.jpg 本多健志によるギャグ漫画。01~02年『週刊ヤングサンデー』に連載。

 榊撫志子、17歳。彼女は「最近心に留まったこと」を口にしながら、ピンクレディーの「UFO」の決めポーズをすると一日に二度、十分ずつ時間を止めることができる。世界征服さえ可能なこの能力も純真な彼女には遅刻を避けたり、人助けに使われたりで日常の延長でしかない。しかも、彼女のおっちょこちょいな性格のおかげで、大騒動になることも・・・・・・。

桂米朝×筒井康隆『対談 笑いの世界』

img238.jpg「東京と大阪では、受け方なり、どこで笑うかということはだいぶ違いますで。・・・・・・こっちの芸人は『もうひと押し』というところがある。充分受けてるのに、もうひとえぐりしたいという気持ちがあるんやな」(桂米朝)
「僕は喜劇映画のドタバタ、スラップスティック、あれを小説でやろうとしたわけですよ。・・・・・・それはドタバタ以外の小説を書く場合でも、ずいぶん役に立ってます」(筒井康隆)
片や落語界の重鎮、片や日本を代表するSF作家。ともに「笑い」を追求してきた二人が、漫才や映画、歌舞伎にまで話題を広げ、薀蓄を披露しあう様は、さながら競演会だ。


 興味深い、というのが読んでみての印象。

 落語はSFに大きな影響を与えている芸のようです。僕の知るところでは筒井康隆、火浦功、横田順彌、小松左京、半村良、とり・みきの作品に落語の語り口の作品やアイデアを拝借した作品があったと思います。

 最近注目を浴びている落語ですが、『タイガー&ドラゴン』や『しゃべれどもしゃべれども』、或いは『GO』もだったかな?落語は古い笑芸というイメージから新たなイメージを獲得しつつあるようです。テレビでネタ番組が恒常的に見られるようになった昨今、笑芸が見直されているのは確かなようです。

 かつて「笑い」は卑賤のものとして扱われていました。武士は笑わず、しかめつらをしていなければならなかった。上役がこけたことを笑ったお陰で切腹させられた武士までいるそうですから、その真面目ぶりは現代の僕たちから見れば恐ろしくもあり、逆に滑稽です。しかし、お上もついに笑いを認めたようで桂米朝は文化功労賞、筒井康隆は紫綬褒章を貰ったことがこの『笑いの世界』という対談の契機となったとは、なにか感じ入るところがあります。

 お話の中心は戦前・戦後の映画や、落語のお話など、二人の笑いを醸成してきた笑い文化、自分たちの仕事です。歌舞伎や落語のSF的な作品なんかも取りざたされているので、そういったものがお好きな方は必見です。個人的には自来也の元型である歌舞伎「天竺徳兵衛」、「地獄八景亡者戯」「こぶ弁慶」「あたま山」などの落語はぜひとも見たいものです。

 SFファンとして見れば途中で筒井さんが「SFの人が何であんなにみんな短命なのか。」と嘆いているシーンが非常に印象的でした。

SF読もうぜ(274) J・G・バラード『終着の浜辺』

 終末世界を圧倒的な筆致で描ききったバラードを代表する“濃縮小説”の傑作「終着の浜辺」。いつとも知れぬ処刑の日を待ちながらチェスに興じる死刑囚と執行人の静かなる戦い、遺跡に残された美しい少女の幻影装置を拾った青年、襲いくる海の幻影におののく男の話などを通して、絢爛かつ退廃に満ちた内的宇宙をあますところなく描破した鬼才のSF全9編。(『時間の墓標』改題)

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