忍者ブログ

SF素人が空想科学小説に耽溺するブログ。

モラトリアム

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

日本SF年表

という風に題をつけましたけど、単に僕の覚書程度のものです。主に一般誌のSF特集、雑誌・叢書の刊行。作品はどう選べばいいかわからないので保留。

1950年 誠文堂新光社 〈アメージング・ストーリーズ〉刊行
1953年 矢野徹「第六回太平洋岸SF大会」(ロサンゼルス)、「第十一回世界SF大会」(フィラデルフィア)に参加。
1954年 〈日本科学小説協会〉設立
      森の道社 『星雲』創刊(創刊号で廃刊)
1955年 室町書房 〈世界空想科学小説全集〉二冊で潰える
      石泉社銀河書房 〈少年少女科学小説選集〉刊行開始
      光文社『宝石』〈世界科学小説集〉という特集を組む
1956年 東京元々社 〈最新科学小説全集〉刊行開始
      〈空飛ぶ円盤研究会〉設立
      北杜夫「人工の星」(『文芸首都』7月号) 芥川賞候補になるも落選
1957年 5月 同人誌『宇宙塵』創刊
      星新一「セキストラ」『宇宙塵』より『宝石』に転載
      12月 〈ハヤカワファンタジイ〉刊行開始
1958年 安部公房『第四間氷期』(岩波書店『世界』7月号~59年3月号)
      8月 講談社〈サイエンス・フィクションシリーズ〉刊行開始
1959年 春 都筑道夫、早川書房の編集会議でSF雑誌の出版を提案。
      同人誌『NULL』創刊
      12月 早川書房「S-Fマガジン」創刊 初代編集長福島正実
1961年 SFマガジン・東宝を主催に「空想科学小説コンテスト」行われる。
      『サンデー毎日』5月、11月の別冊にてSF特集
1962年 5月 第一回日本SF大会(東京目黒)開催
      〈SFM同好会〉発足
1963年 3月 新宿の台湾料理屋山珍居にて、〈日本SF作家クラブ〉設立。
      9月 光文社『別冊宝石』世界SF傑作集刊行
1965年 〈日本SFファングループ連合会議〉設立
      早川書房〈日本SFシリーズ〉刊行開始
      東京創元社〈創元推理文庫〉SFマークを刊行開始
1968年 早川書房〈世界SF全集〉刊行開始
1970年 東京・大阪・名古屋で〈国際SFシンポジウム〉開催
      早川書房〈ハヤカワ文庫SF〉刊行開始
      『季刊NW-SF』創刊
      〈星雲賞〉創設
1973年 小松左京『日本沈没』大ベストセラーに
      半村良『産霊山秘録』第一回泉鏡花賞受賞
      『幻想と怪奇』創刊
      早川書房〈ハヤカワ文庫JA〉刊行開始
1974年 盛光社『奇想天外』創刊(年内に休刊)
1975年 『国文學 解釈と鑑賞』3月臨時増刊号「ミステリーとSFの世界」
1976年 奇想天外社『奇想天外』復刊
      サンリオ〈サンリオSF文庫〉刊行開始
      半村良「雨やどり」で直木賞受賞(非SF作品)
1977年 『宇宙塵』二十周年記念大会「コスミコン」開催
      映画『スター・ウォーズ』日本公開
      『早稲田文学』12月号にて「特集 SFと想像力のゆくえ」
1978年 早川書房〈海外SFノヴェルズ〉刊行開始
1979年 早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉刊行開始
      徳間書店『SFアドベンチャー』創刊
      光文社『SF宝石』創刊
1980年 〈日本SF大賞〉創設
      東京で年次講演会「SFセミナー」がスタート
      『ユリイカ』4月号にて「特集:SF」
1981年 光文社『SF宝石』休刊
      奇想天外社『奇想天外』休刊
      シャピオ『SFイズム』創刊
1982年 幻想文学界出版局『幻想文学』創刊
      旺文社日本版『OMNI』創刊
      新時代社『SFの本』創刊
      『季刊NW-SF』休刊
      映画『ブレードランナー』公開
      『国文學 解釈と教材の研究』8月号 特集「現代文学・SFの衝撃」
1983年 星新一、ショートショート千篇を達成
      第四回日本SF大賞に漫画作品『童夢』(大友克洋)
      双葉社『SFワールド』創刊
1984年 第五回日本SF大賞に川又千秋『幻詩狩』
1985年 シャピオ『SFイズム』休刊
      第六回日本SF大賞に小松左京『首都消失』
1986年 サイバーパンクが本格的に紹介され、ブームに
      新時代社『SFの本』休刊
1987年 大陸書房『小説奇想天外』創刊
      サンリオSF文庫出版停止
1988年 映画『AKIRA』公開
      一般紙にもサイバーパンクブーム(「宝島」「週刊宝石」「FRIDAY」など)
1989年 旺文社日本版『OMNI』休刊
      日本ファンタジーノベル大賞が発足
1990年 大陸書房『小説奇想天外』休刊
      『新潮』9月号で特集〈現代SFの冒険〉、『ユリイカ』ディック特集(91年1月号)、『現代思想』誌3月号ロボット特集、翌年一月号で人工生命特集
      椎名誠SF三部作
1991年 『季刊へるめす』特集「女性SFのフロンティア」
1992年 徳間書店『SFアドベンチャー』季刊へ
      朝日ソノラマ『獅子王』季刊へ 「SF冬の時代」が囁かれる
1993年 徳間書店『SFアドベンチャー』休刊
      筒井康隆、断筆宣言
      『ユリイカ』12月号 「特集:ポスト・サイバーパンク」
1994年 笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』で芥川賞受賞
1995年 アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』放映開始
      11月『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』公開
1996年 映画『ガメラ2』公開
      〈SFバカ本〉刊行開始
1997年 星新一永眠
1998年 〈異形コレクション〉刊行開始
      NHK人間大学『宇宙を空想してきた人々』(野田昌宏)放映
1999年 徳間書店〈日本SF大賞新人賞〉設立
      角川春樹事務所〈小松左京賞〉設立

参考文献:福島正実『未踏の時代』早川書房 1977年
       巽孝之編『日本SF論争史』勁草書房 2000年
       最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』新潮社 2007年
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1974年 「推理小説・SF一九七三年」権田萬治
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1976年 「推理小説・SF'75」山村正夫
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1984年 「SF'83」伊藤典夫
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1985年 「SF'84」安田均
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1986年 「SF'85」安田均
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1988年 「SF'86」鏡明
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1988年 「SF'87」鏡明
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1989年 「SF'88」大森望
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1990年 「SF'89」大森望
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1991年 「SF'90」巽孝之
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1992年 「SF'91」巽孝之
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1993年 「SF'92」巽孝之
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1994年 「SF'93」東雅夫
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1994年 「SF'94」東雅夫
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1994年 「SF'95」小谷真理
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1994年 「SF'96」小谷真理
       日本文芸家協会『文芸年鑑』1998年 「SF'97」長山靖生
       Sci-Fi Award
       翻訳作品集成
       日本SF作家クラブホームページ
PR

海外古典を読む⑪ サン・テグジュペリ『人間の土地』

c9319684.jpeg “我慢しろ・・・・・・ぼくらが駆けつけてやる!・・・・・・ぼくらのほうから駆けつけてやる!ぼくらこそは救援隊だ!”サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇跡的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは・・・・・・。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球の間に探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。

海外古典を読む⑩ ジョージ・オーウェル『動物農場』

a9791c43.jpeg人間たちにいいようにされている農場の動物たちが反乱を起こした。老豚をリーダーにした動物たちは、人間を追放し、「すべての動物が平等な」理想社会を建設する。しかし、指導者となった豚たちは権力を欲しいままにし、動物たちは前よりもひどい生活に苦しむことになる・・・・・・。ロシア革命を諷刺し、社会主義的ファシズムを痛撃する二十世紀のイソップ物語。

山田風太郎『忍法八犬伝』

eef5183b.jpeg八犬士活躍後百五十年。若き城主里見忠義が快楽を貪った代償に、家宝の「忠孝悌仁義礼智信」の八顆の珠が「淫戯乱盗狂惑悦弄」にすり替えられた。これぞ、里見家取潰しを狙う本多正信――服部半蔵の策謀。甲賀卍谷で忍法修行した、八犬士の末孫八人vs半蔵指揮下伊賀者の女忍者八人の熾烈果敢な戦いやいかに!

山田風太郎『忍法忠臣蔵』

dec512d5.jpeg殿中での吉良への刃傷沙汰により、浅野家は断絶され、赤穂浪士は仇討の機を窺う。一方、吉良方が頼りとする上杉家では、家老の千坂兵部が女忍者を用い、仇討防止に色仕掛けで浪士の骨抜きを企む。大石内蔵助が同志と密議の最中に、妖美と怪異の忍法が華と炸裂した!殺気と妖気が奔流のごとくに交錯する!

遠藤周作『侍』

 藩主の命によりローマ法王への親書を携えて「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは―――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の"生"を通して、人生と信仰の意味を問う。

澁澤龍彦『高丘親王航海記』

 貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼児から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と化していたのだ。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考えたことは・・・・・・遺作となった読売文学賞受賞作。

SF読もうぜ(290) 谷岡一郎『SFはこれを読め!』

img256.jpg SFは、科学を通じた現代社会への賛歌である。
 テーマ別のオススメ本を通じて、社会とは何か、生命とは何か、人はどう生きるべきかなどについて考えてみよう。

SF読もうぜ(289) A&B・ストルガツキー『ストーカー』

img255.jpg 何が起こるか誰にも予測のできない謎の地帯、ゾーン――それこそ、地球に来訪し地球人と接触することなく去っていった異星を探るべく、ただちに国際地球外文化研究所が設立され、その管理と研究が始められた。だが警戒厳重なゾーンに不法侵入し、命がけで持ちだす者たち、ストーカーが現われた。そのストーカーの一人、レドリック・シュハルトが案内するゾーンの実体とは? ソ連SFの巨匠が迫力ある筆致で描くファースト・コンタクト・テーマの傑作。

SF研究⑩ 三島由紀夫「一SFファンのわがままな希望」

 久しぶりにSF研究。このカテゴリはSFに対する言及から、SFが社会的にどのような見られ方をしているのかを考えるものです。本日は三島由紀夫「一SFファンのわがままな希望」というSF同人誌『宇宙塵』に寄せられた文章です。

 私は心から日本に立派なSFが生れることを望んでゐる。それで、(かう傲語してもよいと思ふが)、日本人によって書かれたSFには大てい目をとほしてゐるつもりである。

 これが冒頭です。さて、次がこの文章の趣旨になるのですが、

 しかしいかに未来の話とはいへ、國籍不明の片仮名名前などが出てきて、アメリカのハードボイルド小説のやうな言行を示すのにはとてもついて行けない。さうかと言つて、日本的な香りを出さうとしたものが、ミイラとりがミイラになつて、日本的感性に逆行するやうな結果になつたのもいただけない。

 そして、この不満は結局純文学に対する不満と一緒で、日本SFの欠点が純文学全般の欠点のミニチュアのように思えるのが情けないと三島は書く。

 SFは本来、いくら知的でありすぎてもよい自由なジャンルである。アメリカでも、SFには特有のスフィスティケイテッドな讀者が多いと聞いてゐる。日本のさういふ讀者の気むづかしい鑑賞眼をも満足させてくれるものが、續々と出て来てほしい。

 そして、三島は海外作家のすべてを買っているわけではないとブラッドベリを「SFとしても邪道なばかりか、文學としても三流品」とやっつけ、「SFからはすくなくとも、低次のセンチメンタリズムが払拭されなければならぬ。」と主張する。

 私は心中、近代ヒューマニズムを完全に克服する最初の文學はSFではないか、とさへ思つているのである。その意味で「宇宙塵」の地道な努力には、ひそかに敬意を拂つてゐる。

 三島の理想とするSFの姿がこの最後の文章に表れていますが、オプティミズム的なSF、また、ブラッドベリのような抒情的な作品は気に食わないのでしょう。近代ヒューマニズムとは自然より人間中心の考え方だそうです。日本人によって書かれたSFは大てい読んでいると豪語している三島ですが、この前、小松左京の『牙の時代』の解説で、『日本アパッチ族』を読んでいたことがわかる部分がありますし、彼がSFに興味を持っていたこと、その可能性に注目していたことがわかります。ただし、比較的SFに近い作家である安部公房との対談では、彼らはSFという言葉を一つも発していないし、あくまで文学活動の中心ではなく、辺縁にあったのです。最もSFに近い作品である『美しい星』においても、あくまでSF的手法を使った純文学であり、SFではないと思います。

 三島とSFを示す文章はこちら(乗杉純という方のエッセイ)にもありますので、興味のある方は読んでみてください(ちなみに円盤を一緒にさがしたのは北村小松であって、小松左京ではないと思います)。

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新TB

フリーエリア

カウンター

アクセス解析

プロフィール

Copyright ©  -- モラトリアム --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]